Ecology[グローバル環境経営の推進]
環境の保全は、グローバル社会において企業が果たしていかねばならない最も重要な責任の一つです。
グローバル企業には、国や地域による濃淡なく世界中で環境経営を実践していくことが強く求められています。
住友ゴムグループは、事業のグローバル化の加速に伴い、グローバル環境経営の推進に一層の力を注いでいます。
2007年7月制定(2019年4月改定)した住友ゴムグループの環境方針に基づき活動しています。
地球環境に責任を持ったグローバル企業として、あらゆる企業活動を通じて、豊かさと地球環境が調和した社会を将来にわたって実現していくべく、企業の社会的責任を果たしてまいります。
住友ゴムは、2009年3月に環境省が創設した「エコ・ファースト制度」で認定された「エコ・ファースト企業」として、新たな取り組み目標をまとめ「エコ・ファーストの約束」を2022年10月に更新しました。
気候変動をはじめとする環境問題など地球規模の社会課題が深刻化する中、社会と当社が持続的成長を遂げていくには、2050年を見越した長期視点での方針が必要と考え、2021年8月にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を策定しました。今回の「エコ・ファーストの約束」更新には「はずむ未来チャレンジ2050」で設定された、2050年にカーボンニュートラル達成(Scope1+2)などの目標が盛り込まれています。
環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行なっている企業(業界における環境先進企業)が、環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束します。
住友ゴムグループでは、環境管理を含むグローバルなサステナビリティ活動の重要課題の共有および進捗状況の確認を目的として「サステナビリティ推進委員会」を年2回開催しています。委員長はESG担当取締役で、関係部門担当役員を委員としています。
当社グループは、従業員一人ひとりが環境問題に対する認識を深めて、環境保全の取り組みに積極的に参加するよう、環境意識啓発活動を実施しています。2022年は全社取組みとして、住友ゴムのホームページに「カーボンニュートラル広場」を開設し、カーボンニュートラルに関する取り組みや環境情報を発信しています。また、2021年から実施している「私のサステナビリティ宣言」を継続実施し、個人の取組みによるサステナビリティ意識の啓発を行っています。
各拠点においても、Webサイトを利用した情報発信や、サステナビリティ勉強会、省エネ展示会、ポスター・標語の募集などを通じて啓発を行っています。
低炭素社会の構築をはじめ企業活動のすべてにおいてグローバルな管理ができるよう、2010年12月に国内外30拠点でISO14001のグローバル統合認証を取得しました。これにより、国内外の主要 生産・開発拠点の環境管理体制が一元化しました。その後、認証取得拠点を拡大し、2022年末時点で認証取得拠点数は36拠点(内34拠点は統合認証)で、認証取得事業所割合は94.7%になりました。
また、グローバル全従業員に占めるISO14001認証取得事業所の従業員割合は74.3%になりました。2022年度は新たに認証を取得した拠点はありませんが、認証未取得の拠点においても、取得済拠点と同様にコーポレート監査を実施し、環境管理体制の強化を行っています。
(2022年12月末時点の人員)
住友ゴムグループグローバル統合認証(日本語版、英語版)
拠点名 | 取得年 | 従業員数 | 生産拠点従業員中の取得 事業所従業員割合 |
---|---|---|---|
本社・技研センター | 2007年 | 1,751 | 4.3 |
白河工場 | 1997年 | 1.315 | 3.3 |
名古屋工場 | 1997年 | 1,075 | 2.7 |
泉大津工場 | 1998年 | 305 | 0.8 |
宮崎工場 | 1997年 | 1,263 | 3.1 |
市島工場 | 1998年 | 159 | 0.4 |
加古川工場 | 1998年 | 391 | 1.0 |
中国・常熟工場 | 2005年 | 1,827 | 4.5 |
インドネシア工場 | 2003年 | 3,279 | 8.1 |
タイ工場 | 2008年 | 6,955 | 17.2 |
中国・中山工場 | 2004年 | 270 | 0.7 |
ベトナム工場 | 2008年 | 732 | 1.8 |
マレーシア工場 | 2005年 | 628 | 1.6 |
タイ・テニスボール工場 | 2009年 | 452 | 1.1 |
タイ・天然ゴム加工工場 | 2012年 | 248 | 0.6 |
住友ゴム工業(中国) | 2013年 | 190 | 0.5 |
中国・湖南工場 | 2013年 | 1,161 | 2.9 |
ブラジル工場 | 2014年 | 1,782 | 4.4 |
トルコ工場 | 2016年 | 2,553 | 6.3 |
南アフリカ工場 | 2012年 | 1,412 | 3.5 |
アメリカ工場 | 2013年 | 1,405 | 3.5 |
スイス工場 | 2014年 | 126 | 0.3 |
スロベニア工場 | 2020年 | 132 | 0.3 |
中田エンヂニアリング | 2004年 | 94 | 0.2 |
SRIビジネスアソシエイツ(神戸地区) | 2009年 | 21 | 0.1 |
SRIシステムズ(神戸地区) | 2009年 | 176 | 0.4 |
SRIロジスティクス(神戸地区) | 2009年 | 2 | 0.0 |
SRIエンジニアリング | 2009年 | 136 | 0.3 |
(株)ダンロップリトレッドサービス | 2010年 | 56 | 0.1 |
(株)ダンロップゴルフクラブ | 2010年 | 103 | 0.3 |
取得事業所従業員数 | 29,999 | 74.3 | |
グループ総人員 | 40,365 | 100.0 |
注2022年12月末時点の人員。
住友ゴムグループは、毎年、認証機関による外部審査を受けるとともに、各事業所内で内部監査員資格保有者による内部監査を実施しています。また、2009年度から住友ゴム工業本社の監査員がグループの国内外の各製造事業所を監査するコーポレート監査を原則年1回の頻度で実施しています。2022年度は対象の全拠点の監査をリモートで実施しました。
2022年度の外部審査の結果、すべての事業所において良好な評価で、ISO14001:2015グローバル統合認証を更新することができました。
外部審査、内部監査の結果、環境関連法規制に対する重大な違反はありませんでした。
当社は、21年2月より「水素バリューチェーン推進協議会」に加盟し、2050年までに製造工程のCO2排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すため、燃焼時にCO2を発生しない次世代エネルギー水素の活用に取り組んでいます。水素バリューチェーン推進協議会を通して、水素活用拡大に向けた国に対する制度設計、予算拡充の働きかけと提言を行うことによって気候変動対策に関与しています。
水素活用の一環として、21年8月より24年3月までの期間、主力タイヤ工場である福島県白河工場で、製造工程に必要な蒸気を作る燃料を化石燃料から水素に転換する実証実験を実施しています。
住友ゴムグループでは、2022年度、罰金や処罰を受ける環境に影響を与える事故や公害問題等はありませんでした。