ニュース詳細

　住友ゴム工業(株)は、3Dプリンター^※1で加工できる今までにないゴム材料^※2を開発しました。これまでは3Dプリンターでゴム製品をつくる事はできませんでした。しかし、今回、高い復元性と繰り返しの圧縮にも強いゴム材料を当社独自の技術で開発し、３Dプリンターで加工できるようにしました。

3Dプリンターで主に使われる樹脂（プラスチック）ではできなかった弾力性、耐衝撃性、柔軟ですべりにくいなどのゴムの特性を活かした製品をつくれるようになります。これにより、3Dプリンターの使用用途が大きく広がります。

ロボットハンドの指部分（青の部分）	大動脈血管モデルの３Ｄ造形	心臓モデルの３Ｄ造形
	３Ｄプリンターで製造したゴム製品（試作品）

今回、開発したのは当社の強みである「ゴム・解析技術力」により開発した3Dプリンターでゴム製品をつくる事ができる、今までにないゴム材料です。

これまで３Ｄプリンターでは、ゴムライク製品（ゴムのように柔らかく、弾力性のある樹脂の製品）はつくることができましたが、ゴムと比べて復元性や耐久性に課題がありました。しかし、長年のタイヤ開発で培ったゴムの配合および内部構造分析のノウハウを駆使し、ゴム本来の弾性、復元性、耐久性を持つ３Ｄプリンター用のゴム材料の開発に成功しました。長時間かつ高温で圧縮負荷をかけた場合^※3でも高い復元性を発揮するとともに、2,000万回の繰り返し圧縮試験^※4にも耐える高い圧縮耐久性を持ちます。３Ｄプリンターで主流の樹脂（プラスチック）ではつくれなかった弾力性、耐衝撃性、柔軟ですべりにくいなどのゴムの特性を活かした製品をつくれるようになります。
　これにより、３Ｄプリンターの使用用途が大きく広がります。例えば人の指先と同じ様なすべりにくさが必要なロボットハンドの指部分や、人の臓器と同じ様な柔軟性と弾力性を持つ医療訓練用の臓器シミュレーションモデル^※5をつくることができます。今後、ロボット、医療、自動車、スポーツなど様々な分野での活用が期待できます。当社では2026年中の事業化を目指して今後も研究・開発をさらに進めています。これからもお客様により高性能、高品質な製品を提供するとともに安全で健康な暮らしに貢献してまいります。

 　
　なお、今回のゴム製品の試作品は3Dプリンティングに関する最新技術を紹介する専門展^※6で展示され、来場者の高い関心を集めました。また現在開催中の大阪・関西万博「住友館」内の「ミライのタネ」コーナーでも展示されています。

＜ご参考＞

・住友館（ミライのタネ）https://sumitomoexpo.com/experience/mirainotane/

・長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」 https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2025/sri/2025_014.html