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熊本城天守閣に高減衰ゴムを用いた制震ダンパーを採用

2018年5月28日

熊本城天守閣に高減衰ゴムを用いた制震ダンパーを採用

 株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輸賢治、以下大林組)は、施工中の熊本城天守閣の耐震改修工事に、住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市、社長:池田育嗣、以下住友ゴム)製作の制震ダンパーを採用します。
 住友ゴムの制震ダンパーは、自動車のレース用タイヤで培った先進技術で開発した高減衰ゴムを使用しており、地震エネルギーを瞬時に熱に変換することで、揺れを吸収する粘弾性ダンパーです。今回採用が決まった制震ダンパーは、3枚の鋼板の間に板状の高減衰ゴムを強力に接着したものです(図1)。この高減衰ゴムは戸建て住宅用制震ユニット「MIRAIE(ミライエ)」にも使われており、熊本地震でもその効果を発揮しました。
熊本城天守閣
熊本城天守閣
図1 採用した制震ダンパー製品図
図1 採用した制震ダンパー製品図
(単位:mm)
■住友ゴムの制震ダンパーの特長
・地震や風揺れに強い
大地震やその後の余震はもちろん日常的な風揺れにも有効です。
・省スペースに設置できる
コンパクトでありながら、十分な制震効果を得られます。天守閣では方杖(ほうづえ)状に設置することで、筋交いのように壁全面を使うことなく開放感のある空間を確保できます。
・繰り返される揺れに強い
ゴムの復元性を活かし、繰り返す余震にも有効です。
・メンテナンス不要
長期にわたりメンテナンス不要。優れた耐久性で地震に備えます。
■住友ゴムの制震ダンパーの設置場所
大天守最上階(6階)の柱上部と梁を方杖状に連結して取り付けます(図2)。そのため、空間を遮ることなく、制震効果を得られます。本工事では計12基を設置します。
図2 制震ダンパーの取り付けイメージ(熊本城大天守6階)
図2 制震ダンパーの取り付けイメージ(熊本城大天守6階)
■熊本城について
1607年に加藤清正が築城。1877年の西南戦争の際に天守閣が焼失したものの、1960年に鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造などで再建されました。以来50年以上、熊本のシンボルとして親しまれてきましたが、2016年4月の熊本地震で大きな被害を受けました。