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車載ソフトウェア開発の国際基準「Automotive SPICE®」でプロセス能力レベル3達成~独自技術「センシングコア」を軸に、グローバル展開加速へ~

住友ゴム工業(株)は、車載ソフトウェア開発の成熟度を評価する国際的なフレームワーク「Automotive SPICE®(オートモーティブ スパイス)」において、第三者認証機関であるSGSジャパン株式会社のアセスメントにより、プロセス能力レベル3の達成が確認されました。今回の達成は、当社が国際基準に準拠したソフトウェア開発プロセスを確立していることを示し、グローバル市場における信頼の可視化と競争力強化につながる成果です。

 当社は今後、この成果を活かし、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035(ライズ ニーゼロサンゴ)」で掲げる成長事業「センシングコア」の開発を加速してまいります。


 

 

背景と当社の取り組み

 近年、自動運転やコネクテッドカーなど次世代モビリティの進展とともに、自動車のソフトウェアへの依存度が高まっています。自動車産業におけるソフトウェア品質の重要性が一層高まり、開発プロセスの標準化と成熟度向上は、世界中の自動車関連企業にとって必須の要件となっています。こうした潮流の中、国際規格への対応力はグローバル市場での信頼と競争力を確保する上で欠かせません。そこで、当社は「R.I.S.E. 2035」で掲げる成長事業「センシングコア」の実現に不可欠な高いソフトウェア品質を確保するため、Automotive SPICEに準拠した開発プロセスを構築し、運用を進めてきました。

 

今回の達成内容

 Automotive SPICEとは、VDA(ドイツ自動車工業会)が策定した、車載ソフトウェア開発プロセスの能力を評価する国際基準です。本基準において、今回取得したレベル3は「確立されたプロセス(Established)」と呼ばれる段階にあたります。これは、組織として標準化されたソフトウェア開発プロセスを定義・文書化し、適切に管理することで、全社的に再現性を持って適用できている状態を意味します。レベル3はグローバル市場における標準に位置づけられ、多くの自動車メーカーがサプライヤーにその達成を求めています。今回の達成により、国際的に求められる品質保証の仕組みを当社が備えていることが確認されました。

 

次世代モビリティ社会への貢献

 当社は、タイヤの基本性能を追求するとともに、タイヤから得られるさまざまな情報を新たな価値へとつなげる研究開発を進めています。その代表例がタイヤそのものをセンサーとして活用する独自のタイヤセンシング技術「センシングコア」です。センシングコアは、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析し、空気圧や摩耗状態、荷重や路面状態、車輪脱落予兆などを検知する技術であり、次世代モビリティ社会において安全性の向上に寄与すると期待されています。

 今回の Automotive SPICE レベル3 達成は、こうした新技術の開発を支える高いソフトウェア品質を裏付けるとともに、当社のグローバル事業拡大に不可欠な要件でもあります。

 

 当社は、今後もさらなる品質向上を推進し、さまざまな国際規格への対応も進めながら、グローバル事業の拡大を図ってまいります。そうした取り組みを通じて「R.I.S.E. 2035」の達成を目指すとともに、持続可能で安全な次世代モビリティ社会の実現に貢献してまいります。

 

<ご参考>

長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」