橋梁用高耐オゾン性ゴム支承

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住友ゴムのゴム技術を用いた橋梁用高耐オゾン性ゴム支承
橋梁用高耐オゾン性ゴム支承関連リリース
2016年08月31日産業品その他
耐オゾン性を大幅に向上させた橋梁用ゴム支承を共同開発

基本コンセプト

長期耐久性能の向上

耐オゾン性能の高い被覆ゴムを用いていることから、オゾン劣化への影響が抑えられ、長期間にわたり高い耐久性能が確保されます。

長期耐久性能の向上

優れた変形性能

主成分であるクロロプレンゴムは、特殊配合により天然ゴムと同等以上の変形性能を有しており、大地震時の繰返し変形に対して追従可能です。また、各種依存性試験やせん断変形性能試験等により、安定した品質及び性能が確保されています。

ライフサイクルコストの低減

オゾン劣化への影響が抑えられることから、ゴム支承本体の補修及び取替えが大幅に軽減され、供用期間内のライフサイクルコストの低減が期待できます。

ライフサイクルコストの低減グラフ

オゾン劣化のメカニズム

一般的に、ゴム配合物の主原料であるゴム素材(ポリマー)は、鎖状の分子構造をしています。天然ゴムなどの数多くのポリマーには鎖の中にオゾンからの攻撃を受けやすい二重結合をもっています。最表面にあるポリマーの二重結合が大気中のオゾンからの攻撃を受けて鎖が切断され、微小なクラックが発生し、それが拡大伸展していきます。

UDRBシリーズでは、被覆ゴムの主原料であるポリマーを耐オゾン性の弱い天然ゴム系から、強いクロロプレンゴム系に置き換えることで、耐オゾン性を大幅に向上させました。クロロプレン系は、塩素原子を二重結合の傍に持っている構造的特徴より、オゾンの二重結合への攻撃に対し耐性を持ち、切断を抑制する効果があります。(イメージ図参照)

オゾン劣化のメカニズム図

試験条件

  • 温度:40℃
  • オゾン濃度:200pphm
  • ひずみ:80%伸長

耐オゾン比較試験結果

耐オゾン比較試験結果グラフ

UDRB(反力分散型、可動・固定支承)製品仕様

耐オゾン比較試験結果に示す通りに促進オゾン試験を実施した結果、天然ゴム系被覆ゴムと比べて、5,000倍以上の耐オゾン性能を有するゴム材料の開発に成功いたしました。

この新開発のゴムで支承表面を被覆することで、オゾンによる亀裂を長期に渡って抑えることが可能となります。

ゴムの物理的性質

  項目 単位 CR本体ゴム規格値 被覆ゴム規格値 試験方法
せん断弾性係数G N/mm² 1.2(G12) 1.0(G10) 0.8(G8)
基本特性 破断伸び(※) 450以上(400以上) 本体ゴムの規格値に準拠 引張試験
JIS K 6251
引張強さ MPa 15以上 10以上
老化
試験
25%伸長
応力変化率
-10~+100
(70℃×72hr)
-10~+100
(70℃×72hr)
熱老化試験
JIS K 6257
伸び変化率 -50以上
(70℃×72hr)
-50以上
(70℃×72hr)
老化・
耐久性
圧縮永久歪率 35以下
(70℃×24hr)
- 圧縮永久歪試験
JIS K 6262
耐水性
(質量変化率)
- 10以下
(55℃±2℃×72hr)
浸せき試験
JIS K 6258-4
耐寒性
(低温衝撃脆化温度)
衝撃脆化温度が-30℃以下であること
(寒冷地では-40℃)
衝撃脆化温度が-30℃以下であること
(寒冷地では-40℃)
低温衝撃脆化試験
JIS K 6261
90度
剥離試験
接着強さ N/mm 7以上 - 剛板と加硫ゴムの90度剥離試験
JIS K 6256-2

(※)製品から抜き取った試験片の破断伸び規格値は( )内としてもよい
(出典)構造物施工管理要領(平成29年)

履歴曲線

履歴曲線グラフ

オゾン性試験

  規格試験 独自試験
  NEXCO
構造物施工管理要領
平成29年7月
首都高
橋梁構造物設計施工要領
平成27年6月
首都高条件の時間延長
オゾン濃度 50pphm 200pphm 200pphm
試験温度 40±2℃及び-30℃ 40℃及び-10℃ 40℃
試験時間 96時間 96時間 2800時間
ひずみ 50%伸長 80%伸長 80%伸長
試験結果 クラック未発生 クラック未発生 クラック未発生

せん断変形性能試験

高耐オゾン性ゴム支承(UDRB)は、せん断ひずみ300%以上のせん断変形性能を有しています。
せん断変形性能試験(ゴムサイズ:□1020,せん断弾性係数:G10)の結果を示します。

高耐オゾン性ゴム支承

せん断変形性能試験結果

UDRB-HS (超高減衰ゴム支承)製品仕様

UDRB-HSは、UDRBに住友ゴム工業(株)独自の技術による高減衰性能を付与した新しい耐オゾン性ゴム支承です。

UDRBと同様、新開発の被覆ゴムで支承表面を覆うことにより、オゾンによる亀裂を長期にわたって抑えることができます。

ゴムの物理的性質

  項目 単位 超高減衰本体ゴム規格値 試験方法
せん断弾性係数G N/mm² 1.2(G12) 1.0(G10) 0.8(G8)
基本特性 破断伸び(※) 550以上
(500以上)
600以上
(550以上)
650以上
(600以上)
引張試験
JIS K 6251
引張強さ MPa 10以上
老化
試験
25%伸長
応力変化率
-10~+100
(70℃×72hr)
熱老化試験
JIS K 6257
伸び変化率 -50以上
(70℃×72hr)
老化・
耐久性
圧縮永久歪率 60以下
(70℃×24hr)
圧縮永久歪試験
JIS K 6262
耐水性
(質量変化率)
- 浸せき試験
JIS K 6258-4
耐寒性
(低温衝撃脆化温度)
衝撃脆化温度が-30℃以下であること
(寒冷地では-40℃)
低温衝撃脆化試験
JIS K 6261
90度
剥離試験
接着強さ N/mm 7以上 剛板と加硫ゴムの90度剥離試験
JIS K 6256-2

(※)製品から抜き取った試験片の破断伸び規格値は( )内としてもよい
(出典)構造物施工管理要領(平成29年)

履歴曲線

履歴曲線グラフ

反力分散型のUDRBに比べ、超高減衰型のUDRB-HSは履歴曲線から得られた面積が大きく、高いエネルギー吸収性能を有しています。

共通設計式

共通設計式グラフ

NEXCO設計要領に記載されたHDR-Sの共通設計式を使用することが可能です。

せん断変形性能試験

UDRB-HSは、UDRBと同様、せん断ひずみ300%以上のせん断変形性能を有しています。
せん断変形性能試験(ゴムサイズ:□1020,せん断弾性係数:G12)の結果を示します。

せん断変形性能試験

せん断変形性能試験結果

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> UDRB-HSカタログ(超高減衰ゴム支承)【準備中】

論文

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