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TCFD・TNFD提言に基づく統合的な情報開示へ~気候変動と自然資本に関するリスクと機会への包括的な対応を強化~

 住友ゴム工業(株)は、TCFD※1(気候関連財務情報開示タスクフォース)およびTNFD2(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づく情報開示について、両者の相互関係をより明確に整理し、統合的な情報開示ページとして再構成します。両枠組みが補完し合うことを踏まえ、開示内容を横断的に整理し、TNFDにおけるシナリオ分析も新たに実施しています。これにより、気候変動と自然資本の課題が相互に影響し合うことを前提とした、より包括的なリスクと機会の把握、および対応方針の検討が可能となります。なお、本統合情報開示ページは、6月30日に当社ホームページにて公開します。



 気候変動と自然資本は相互に依存しており、企業にとっては一体的に捉えるべき重要な課題です。TCFDが気候変動リスクに焦点を当てる一方で、TNFDは生物多様性や水資源などより広範な自然環境との関係に重点を置いています。共通の枠組みで整理することにより、気候変動と自然資本に関する当社の取り組み全体を一貫した構造で把握しやすくなり、特にガバナンス体制やリスク管理の連携が明確になりました。両課題の相互関係を可視化することで、気候と自然のつながりをより分かりやすく理解できるようになっています。

 また、自然資本に関するリスクと機会をより深く理解するため、TNFDの枠組みに基づいたシナリオ分析を実施しました。特に重要な原材料である天然ゴムを対象に、「自然共生シナリオ」と「成り行きシナリオ」の2つを設定し、事業への影響を評価しました。「自然共生シナリオ」では、生物多様性保全や脱炭素への社会的関心の高まりにより、規制や顧客ニーズの変化に対応するためのコスト増や技術開発が求められる一方、環境配慮型製品の需要拡大といった機会も見込まれます。これに対し、「成り行きシナリオ」では、自然保全が進まず、平均気温の上昇や生態系の劣化による異常気象の増加、水資源の枯渇といった物理的リスクが顕在化し、天然ゴムの収量減少や価格高騰、事業継続への影響が懸念されます。

 これらのリスクと機会に対応するため、当社では、天然ゴムに特化した環境・社会的リスク評価ツール「RubberWay®」※3を活用したトレーサビリティの確保、小規模農家の支援、ゴムノキの生産性向上や臭気改善など天然ゴムに関する研究、サステナブル原材料の活用に向けた技術開発を推進しています。

 サステナブル原材料比率を高めたDUNLOPレースタイヤ  天然ゴム農園


 当社グループは、企業理念体系「Our Philosophy」の実現に向け、バリューチェーン全体におけるリスクと機会を踏まえてマテリアリティを特定しています。今後も、気候変動および生物多様性・自然資本に関する課題を、相互に関連する重要な経営課題と捉え、統合的な視点からの取り組みを一層強化し、持続可能な事業運営を推進してまいります。

■TCFD・TNFD提言に基づく情報開示 (6月30日 14:00公開予定)
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/environment/tcfdtnfd.html

※1 Taskforce on Climate-related Financial Disclosuresの略。気候変動に関する管理と開示の枠組み。
※2 Taskforce on Nature-related Financial Disclosuresの略。自然関連課題に関する管理と開示の枠組み。
※3 天然ゴムの持続可能な調達に向け天然ゴムに特化したリスク評価ツールを導入
(ニュースリリース発行 2023年10月12日):https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2023/sri/2023_069.html



<ご参考>
サプライチェーンマネジメント: https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/supplier.html