当社グループは、公正かつ開かれた企業活動を目指し、お取引先様と良きパートナーとなるために、調達ガイドラインの作成・運用、法令の改正や外部環境の変化などに応じた同ガイドラインの改訂などの取り組みを通じて、持続可能な調達を推進しています。
お取引先様や販売会社との連携を強化し、グローバルかつ中長期的な視点でサステビリティ対応を具体化し、持続可能な物流体制づくりを加速させます。
当社グループでは持続可能な調達を目指し、2024年7月に調達ガイドラインを第8版に改訂しました。これまでのCSR調達ガイドラインからサステナブル調達ガイドラインに変更して、DX(デジタルトランスフォーメーション)経営に伴うシステム対応、サステナブル原材料の活用、カーボンニュートラルに向けた取り組みなどを新たに追加しています。
お取引先様に配布した調達ガイドラインをご理解いただいたかどうかの確認をお願いしており、2025年1月末時点で、約90%のタイヤ原材料のお取引先様からガイドラインの内容を理解して受領したことを確認する受諾書に署名してご提出いただいています。
持続可能な調達を実現するため、以下の7点についてご説明しています。
1)お取引先様との持続可能な関係を構築:BCPの強化とサプライチェーンの連携を通じて持続可能な調達と新たなパートナーシップを目指すこと、サステナビリティ評価の実施など
2)デジタルテクノロジーを活用した調達活動:DX経営に向けたデジタル化とそれに伴うシステム化への対応
3)天然ゴム:タイヤの主原料である天然ゴムにおける環境や人権などに関する課題への当社の取り組みなど
4)品質維持、向上への取り組み:当社グループの品質方針、品質マネジメントシステムの構築や変化点管理の整備・申請や手続きなど
5)サステナブル原材料化:タイヤ事業におけるサーキュラーエコノミー構想、サステナブル原材料化の目標と活動促進など
6)環境配慮:カーボンニュートラルに向けた取り組み、環境負荷物質の管理や自然との共生(森林保護、生物多様性への配慮)など
7)社会・ガバナンス:人権・労働基本権の尊重、コンプライアンスや情報管理の徹底、リスクアセスメント実施によるリスクの低減など
調達ガイドライン第8版【タイヤ用原材料】WEB版(日本語版)
Procurement Guidelines 8 Edition 【Raw materials for tire】 Web Edition
Diretrizes de aquisição 8ª Edição [Para matérias primas de pneus](Versão Web)
Pedoman Pengadaan Edisi ke-8 [Bahan baku mentah untuk ban](Edisi Web)
แนวทางการจัดซื้อจัดจ้าง ฉบับที่ 8 [ส าหรับวัตถุดิบยางรถยนต์](รูปแบบอิเล็กทรอนิกส์)
当社グループのサプライチェーンにおける人権・ガバナンス・環境へのパフォーマンスをモニタリングかつ評価を効率的に行うために、2022年1月から国際的な第三者評価機関であるEcoVadis社(エコバディス社)を起用しています。同社は持続可能性を評価するためのプラットフォームを運⽤しており、サステナビリティに関する基準でお取引先様を評価しています。
また、これから新規に取引を開始するお取引先様も、同様にデューデリジェンスを実施し、腐敗リスクの評価と予防に関する働きかけを行っています。こうしたデューデリジェンスや評価の結果が、一定の基準以下だったお取引先様には改善を依頼しています。EcoVadis社を起用することで評価基準が統一され、その評価結果や改善提案などが、お取引先様の効率的なサステナビリティ活動の推進に寄与できると期待しています。
2007年から物流システムの改善により物流段階におけるCO2排出量を削減する取り組みを推進すべくグリーン物流ガイドライン運用しております。お客様の要求や市場の要求を的確にとらえ、その要望に応えた商品を確実に提供するとともに、地球環境も配慮し取引先様とともにグリーン物流活動を行っています。
近年、気候変動に伴う自然災害の発生リスクやサイバーセキュリティリスクなど、企業の事業活動における不安要素が多様化するとともに、サプライチェーンが複雑化したことによってリスクが顕在化した際の被害が深刻化しており、サプライチェーンの分断リスクが以前より高まっています。調達領域における潜在的なリスクの兆候を事前に察知・把握し、可能な限り軽減・排除する対策・対応を講じることで安定、且つサステナブル調達を実現させることが重要だと考えています。
リスク
・日本含め120以上の国と地域が掲げる2050年カーボンニュートラルに向けて投資額が増加する
・販売量増加に反し2030年までに2021年比でCO2排出量を10%削減する目標未達による、投資家や顧客等ステークホルダーの信頼失墜
・取引先様によって対応に差が生じる
・モーダルシフト対象となるフェリーや鉄道輸送のキャパ不足・異常気象や人手不足により、輸送費高騰やリードタイム増加の可能性
機会
・輸送、倉庫会社様から選ばれる荷主になる
・環境配慮の企業イメージによりブランド価値向上
・税制優遇、補助金、支援プログラムの活用
目まぐるしく変化する社会情勢に迅速に対応できる調達を目指し、調達本部内にサステナブルコミッティを立ち上げて、定期的に調達リスクに関する議論を行っています。そこで抽出・議論したリスクを評価項目として反映することで調達戦略の策定に活用しています。また、この活動によって調達部員のリスク感度の向上を図っています。
・CO2排出量の削減に向けて、全社活動として(サステナビリティ経営推進本部と連携して)排出量実績の確認、対策の洗い出し、各拠点の進捗確認をしています。
・安定した物流体制の構築に向けて、トラックドライバーの拘束時間の削減、倉庫での荷役作業負荷の軽減となる対策を実施しています。
調達におけるCO2削減は気候変動のページを参照ください
タイヤ原材料の調達リスクへの対応ができている目安として、タイヤの減産などの生産に影響を及ぼすような納期トラブルゼロ(原材料ショートゼロ)の目標を設定しています。
2024年の目標 | 0件 |
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2024年の実績 | 0件 |
2025年の目標 | 0件 |
中長期目標 | 0件 |
サステナビリティの長期方針の目標として、EcoVadis社のサステナビリティ課題に関する評価において「タイヤ原材料について購入金額ベースで95%を基準点45点以上のサプライヤーから調達(2030年)」を設定しました。
2024年の目標 | - |
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2024年の実績 | 97% |
2025年の目標 | 95%以上を維持 |
中長期目標 | タイヤ原材料について購入金額ベースで95%を基準点45点以上のサプライヤーから調達(2030年) |
カテゴリ4「物流」
物流事業者に対して脱炭素に関する施策のヒアリングを実施し、よりCO2排出量の少ない輸送方法の検討・実施、輸出品の生産工場最寄港積みや倉庫間移管削減(輸送重量の低減)に取り組み、2030年には2021年比でCO2排出量の10%削減を目指します。
2024年の目標 | 国内物流企業とCO2削減施策の導入可能性、CO2データの連携可否について意見交換 海外拠点と現地取組み状況、全社目標、削減施策、CO2データ連携の必要性を共有 |
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2024年の実績 | 国内物流企業とCO2削減施策の導入可能性、CO2データの連携可否について意見交換 海外拠点と現地取組み状況、全社目標、削減施策、CO2データ連携の必要性を共有 モーダルシフトの推進(実績21%)、他社との共同配送トライアル開始 |
2025年の目標 | 国内物流企業とCO2削減施策の具体化と協働、CO2データの連携方法について意見交換 海外拠点と現地取組み状況、全社目標、削減施策を共有、CO2データ連携の開始 モーダルシフトの拡大、他社との共同配送の本運用開始、最寄港からの船積拡大 |
中長期目標 | カテゴリ4において2021年比で2030年までにCO2排出量を10%削減 |
これまでドライバーや倉庫作業者の負荷軽減を目的に、入場時間予約システム、中継輸送、ラック輸送、オートフロア車、クランプリフト、デバンダ・ベルトコンベア、荷役ロボット、ファン付ベストの導入をしました。引き続き物流現場の負荷が軽減されるよう、施策の実施拡大を図ってまいります。
クランプリフトの導入により、特にトラック・バス用タイヤをこれまで人力でトラックから倉庫へ降ろす、あるいは倉庫からトラックへ積み込んでいたのを、機械化することが可能となりました。この取り組みにより作業負担を軽減し、業務の効率化を図ることができます。
CO2削減につながるデータ連携についての検討を2024年より国内の一部のお取引様と開始いたしました。2025年以降はさらに対象を広げ拡大していきます。また海外拠点ともCO2削減計画の達成に向けた具体的な施策について協議していきます。
持続可能な調達活動を推進するため、社内の調達部員およびタイヤ原材料のお取引先様を対象としてサステナビリティに関する知識の習得と当社活動への理解を深めていただくことを目的として調達ガイドラインの説明会を実施しています。また、多層化・複雑化するサプライチェーン環境において発生したリスクに迅速に対応することを目的としてグローバルな情報収集と意思決定に向けた取り組みの推進、デジタル技術を活用したリスク管理への転換を検討しています。 今後も引き続き、サプライチェーン全体におけるサステナビリティ課題の洗い出しを行い、お取引先様との連携による課題解決に向けた取り組みを進めていきます。
刷新した調達ガイドライン第8版の内容を理解していただくことを目的として、2024年7月-8月に当社グループがタイヤ原材料を調達している各拠点(欧、米、中、アジア・日本)において、お取引先様を対象にオンライン形式で説明会を開催し、合計212社(585名)に参加いただきました。(後日、全てのお取引先様へ、説明会のビデオを配信しました)
調達ガイドライン第8版の発行前の2024年6月に、当社グループのタイヤ原材料の調達部員向けに勉強会を実施しました。サステナブル調達ガイドラインに改訂した背景や改訂のポイントを中心に調達各拠点(欧、米、中、アジア・日本)の部員 38名に説明し、方針や理念・ポリシーを共有しました。
年1回、各拠点(欧、米、中、アジア・日本)の調達部員が集まって開催するグローバル会議で、タイヤ原材料における調達リスクを中心としたサステナビリティに関する議論を行い、それを基に各リージョン・カテゴリー毎に調達戦略を策定しています。2024年は8月26日-27日の2日間でグローバル会議を実施しました。