社会貢献活動

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基本的な考え方

住友事業精神に基づく社会貢献活動

住友ゴムグループは、400年の歴史を持つ住友事業精神に基づき、良き企業市民として、さまざまな社会貢献活動を推進しています。
なかでも「みんながGENKI(元気)になる活動」として始まった社員によるボランティア活動「GENKI活動」は、全国の各事業所を中心に30年以上継続している活動です。この「GENKI活動」では事業所のある地域の皆さんと共に、地域のニーズに合わせた社会貢献活動を展開しています。当社グループは「GENKI活動」をはじめとする社会貢献活動や生物多様性保全活動、緑化活動を通じて、サステナビリティビジョンを達成し、社会から信頼される企業となるべく、これからも積極的に活動を推進していきます。

関連情報

ガバナンス

従業員による募金制度「住友ゴムCSR基金」

住友ゴムCSR基金は当社の事業所がある地域社会への支援と共生を目指し、地球環境問題や社会問題解決に向けた活動を展開しているNPO団体などを資金面で支援するために設立された制度です。
2009年に設立され、翌2010年から当社の拠点地域における「環境保全」「交通安全」「災害支援」「地域における社会課題解決」に取り組む団体への助成を開始しました。
2024年度には54団体、1,390万円の助成を行い、のべ621団体による活動に総額約1億3千7百万円の助成を実施しています。

加入率(2023年12月)

加入率

住友ゴムCSR基金の累計助成額(住友ゴム工業単体)

助成団体の選定についてはサステナビリティビジョンをベースとする住友ゴムCSR基金の基本理念に沿った活動をしていることが前提となります。その上で、取り組む社会課題の深刻さや地域のニーズに細やかに寄り添うために、各事業所からの推薦を基本としています。また当社の社員がボランティアで参加できる活動であることや、健全で安定的な活動をつづけるための支援であることから、団体の継続性についても審査の対象としています。

住友ゴムCSR基金助成団体のご紹介

助成の例としては、緑化活動では、愛知県豊田市で中山間部の放置林などの間伐ボランティアを実施している「とよた令和 木楽会」や丹波市で希少種保全活動を続ける「丹波地域のホトケドジョウを守る会」、地域課題解決では、神戸市で科学実験を通して子どもに環境への興味を持たせる活動を続ける「NPO法人たけのこさいえんす」など、さまざまな活動を支援しています。
また災害時の義援金やSDGsの達成にむけた活動をするNGO・NPOなどへの寄付にも住友ゴムCSR基金は活用されています。

道路標識の清掃を行い、交通安全に寄与(ジョイナス)
道路標識の清掃を行い、交通安全に寄与(ジョイナス)

障がい者の通院介助や移動支援(NPO法人Kanきち会)
障がい者の通院介助や移動支援(NPO法人Kanきち会)

戦略・リスクと機会

当社グループは多様なステークホルダーの皆様との協働を重視し、特に拠点地域との信頼関係を大切にする社会貢献施策を実施しています。地域の特性に合わせて柔軟な社会貢献を実施することで、企業の社会的責任を果たすだけでなく、従業員が安心して働ける環境づくりや仕事への取り組みやすさにつながり、従業員満足度を向上させます。またそのことにより、地域に安心される企業として成長を後押ししていきます。

NGO・NPOとの協働

NGO・NPOとの協働などを通じ、多様なステークホルダーとの交流・対話を推進しています。
協働で近隣河川の清掃や里山保全などの環境づくりの活動を実施することで、社会貢献活動に取り組みながら、より地域の身近な社会課題に触れる機会になっています。また事業所がある地域からボランティア情報などを提供いただくことで、従業員のボランティア参加を後押ししています。
今後も継続して当社グループとNPOが「出会い&学びあい」ができる場を設け、協働事業を拡充していきます。

須磨海水浴場ビーチクリーン
須磨海水浴場ビーチクリーン

地域の市民活動団体との対話・協働

当社グループでは、各拠点の窓口や総務部が主管部署となって地域住民や市民団体などとの対話や協働を積極的に進めています。また、さまざまなステークホルダーの工場(ものづくり)や技術(評価)の見学会や情報交換会などによる対話を推進し、地域とのつながりを深めています。対話を通じてステークホルダーの目線で、事業活動が地域に与える影響や課題の把握に努めています。
いただいたご意見などは、必要に応じて関連部署と調整し、経営会議で内容を審議し、各窓口へのフィードバックや、サービスの改善および、社会的・経済的価値の創出につながる社会貢献活動に活かしています。

リスク管理

社会貢献活動を積極的に推進することで、企業イメージの向上、消費者、投資家、取引先からの支持、従業員のモチベーションに加え、投資家・取引先からの評価を高めるとともに、地域社会との信頼関係構築につながりますが、逆に社会貢献活動を進めなかった場合は、これらがリスクとなります。
社会貢献活動を着実に推進するため、年度ごとの活動計画・予算を立案し、また社会貢献に関する従業員の理解や主体性を引き出すため、諸活動の周知や従業員の意見を反映できる体制を作ることで、社会貢献活動の担い手の確保を図っています。

目標と実績

目標と実績は以下の通りです。

2024年の目標 多様なステークホルダーとの交流・対話を重視した、地域のニーズに合わせた社会貢献活動の実施
2024年の実績 GENKI活動を中心とした地域密着型の社会貢献施策を実施(詳細は以下取り組み事例のとおり)
2025年の目標 次世代育成・教育支援の推進と、地域のニーズに合わせた社会貢献活動の実施
中長期目標 持続可能な社会の実現に貢献し、社会からの信頼を獲得することで企業の成長を後押しする

実績評価と今後の取り組み

GENKI活動を中心とした地域密着型の社会貢献施策はしっかりと継続され、各拠点と近隣住民の皆様との良好な関係を築いてきました。2024年は高等学校への教育支援を中心とした次世代育成施策の拡大にチャレンジをしました。教育支援は学校の教育力を高めるだけでなく、地域の力を高め、これからの地域や日本の担い手を育てることは、持続可能な社会の実現に欠かせない支援と考えています。今後も次世代育成支援に積極的に取り組み、地域社会から信頼される企業を目指します。

取り組み事例

地域に密着した活動

当社グループは工場近隣の住民などとの地域に密着した社会貢献活動を進めています。従業員が主体となって、住民の皆様と交流する催しを企画し、相互理解できる環境を醸成することで信頼関係を深め、課題解決に取り組んでいます。

工場近隣住民の皆様との交流

愛知県豊田市にある名古屋工場は、豊田市の交通安全市民運動の取り組みの一環で、年4回の交通安全市民運動期間に、工場前の市道や主要交差点で、ドライバーに向けて安全運転を呼び掛ける街頭立哨活動に協力しています。
また、泉大津工場では、2010年から月に一回近隣の子ども達を交通事故から守るため、工場近くの通学路3ヶ所で「戎っ子見守り隊」を結成して、立哨活動をしております。

2019年春の立哨活動の様子
2019年春の立哨活動の様子

近隣幼稚園等に蜂誘因気器を設置(白河工場)

白河工場では2013年から近隣の幼稚園や保育園にスズメバチ駆除用の蜂誘引器を設置し、子どもたちが安心して遊べる環境づくりを支援しています。2022年は市外の保育園からの依頼も増え、計12園に設置しました。このように地域の皆さまとのつながりを大切にしながら、交通安全以外の視点からも安心、安全をお届けする活動を続けています。

近隣幼稚園等に蜂誘因気器を設置(白河工場)

教育機関へのケミカルウッド無償譲渡

SRIエンジニアリング(株)は、タイヤ金型製作時に発生していたケミカルウッド端材を廃棄物処理していることに着目し、有効な再利用の方途を検討する中で、2017年12月から、工業系・デザイン系の教育機関や職業訓練校に教材として無償譲渡する活動を始めました。
2025年4月現在、通算譲渡58回(計29校)の無償譲渡を兵庫県及び近隣府県の教育機関へと広く実施し、廃棄物の再利用を行うことで「持続可能な社会貢献」を目指しています。
なお、本活動に対し、2018年10月に兵庫県知事から感謝状を受贈、同年11月に住友ゴムグループCSR表彰優秀賞を受賞しました。次世代ものづくり支援を通じて人材育成の一翼を担うべく活動を続けています。

ステークホルダーの声—ケミカルウッドで鍛える“ものづくり”の技

兵庫県下の職業能力開発校5校では、無償提供いただいたケミカルウッドで、訓練生が、日々機械加工の腕を磨いています。県立ものづくり大学校では、訓練生たちが様々な試作品の製作にチャレンジし、技能向上に励んでいます。
今、ものづくりの自動化が進みつつありますが、どんな形ができるのか、その設計図は本当に製作できるのか、機械の摩耗や微妙なずれ、誤差を現場で対応して修正するためには、実際につくる経験から身につく感覚が大切だと思います。その感覚がロボット、AIを操作し、自動化が進むものづくりで生きてくるはずです。
そのための貴重な訓練素材をご提供いただいていることに心から感謝申し上げ、ものづくり人材の育成に取り組んでまいります。

兵庫県立ものづくり大学校 姫路職業能力開発校 校長 坂本 哲也氏
兵庫県立ものづくり大学校
姫路職業能力開発校
校長 坂本 哲也氏

疾患啓発活動

モータースポーツ活動を通じたピンクリボン運動を支援

10月のピンクリボン月間に合わせて、サーキットで使用されるDUNLOPロゴマークを黄色からピンク色に染めて、乳がんの早期発見・治療の啓発活動を支援しています。タイヤロゴ、会場内のぼり、スタッフのマスクやリストバンド、ステッカーなどを作製し、10月に行われる主要なレース、イベント会場にてPRを行っています。
モータースポーツには男性のファンや関係者が多くおられます。この運動を通して、男性が乳がんについての知識を持ち、ご家族やパートナー、ご親戚の方へ早期検診・早期発見・早期治療を促す行動を起こすことが大切だと考えています。
2024年は、サステナブル原材料比率43%のDUNLOPタイヤを供給している「全日本カート選手権EV部門」にて、初のキックオフイベントを開催しました。近年、女性レーシングドライバーが増えているモータースポーツの中でも登竜門と言われるカートレースにおいて、ステージイベントとDUNLOPブース出展を通して、乳がん啓発活動を行いました。

ピンクリボン

ピンクリボン

レースを戦い終えたばかりのGT車輛を名古屋工場へ持ち込み展示。タイヤのロゴもピンクになっています。
レースを戦い終えたばかりのGT車輛を名古屋工場へ持ち込み展示。タイヤのロゴもピンクになっています。

子どもたちへの教育支援

ダンロップ環境教室

2010年度から特定非営利活動法人環境21の会と協働し「ダンロップ環境教室」を兵庫県内の学校などで実施しています。「ダンロップ環境教室」はさまざまな実験・体験を通して地球温暖化をはじめとする環境問題について学び、自分に何ができるかを考えることをテーマとした出前環境教室です。
2024年は地域団体など2カ所で計6回開催し、計165名にご参加いただきました。

「ダンロップ環境教室」学習風景
「ダンロップ環境教室」学習風景

ダンロップものづくり教室

2009年からNPO法人コアネットが主催する「ダンロップものづくり教室」に協賛しています。小学4~6年生を対象とした工作キット「スクローラーII」を組み立てる体験学習を通じて、ものづくりの面白さや達成感、チームワーク形成等を体験してもらうものです。
2024年までに80回開催し、受講者数は約6,000人となりました。
これらの活動は近隣の子どもたちに、ものづくりの面白さや大変さを学んでもらう機会になっており、子どもたちが真剣に何かを学び取ろうとする姿は、当社グループにとっても毎年活動を継続する原動力となっています。

「ダンロップものづくり教室」工作風景
「ダンロップものづくり教室」工作風景

近隣の小学校・こども園への環境教育支援

ゴルフボールを生産する市島工場では近隣の緑化団体「かどのでもりもり倶楽部」と協働で、小学4年生を対象とした記念植樹「1/2成人式」や「古代米の田植え・収穫体験」の支援を行っています。また、近隣こども園の園児を招いて「オオムラサキ観賞会」や「どんぐり拾い」などを実施し、楽しみながら希少動植物の保護活動や環境に興味を持ってもらう機会を提供しています。市島工場の緑化班は、オオムラサキ育成に欠かせないエノキの生育やゴルフには欠かすことのできない芝の手入れにおいてもノウハウを持ち、他の工場拠点の緑化活動支援にも力を入れ、近隣こども園の園児を招いた際はこの手入れされた芝生の上で遊べるように、テストフィールドを開放しています。
また、2022年から、加古川工場にて近隣の小学校に絶滅危惧種フジバカマを寄贈し、出張授業を実施しています。
そのほかにも幼稚園の卒園記念として、入園時にまいたどんぐりから育ててきた苗木をプレゼントするなど、当社の活動を理解いただくとともに、緑化推進にもつながる取り組みを近隣社会の皆様と共に行っています。

市島工場 観察会でのオオムラサキと園児たちの様子
市島工場 観察会でのオオムラサキと園児たちの様子

加古川工場 フジバカマ寄贈 近隣の小学校での出張授業の様子
加古川工場 フジバカマ寄贈 近隣の小学校での出張授業の様子

近隣の中学校・高等学校へのキャリア教育支援

大阪府摂津市の中学生を対象とした「職種体験プログラム」、神戸龍谷高等学校 グローバル理系コースの生徒を対象にした「ダンロップ企業研修」、関西大学北陽高等学校の探求学習「刀プロジェクト」など、様々な施策と通して、次世代を担う子どもたちのキャリア教育を支援しています。
そのほか、住友ゴムCSR基金における助成先としてタイ ウドンタニ県の中学生に奨学金を提供し、教育支援を行っています。

寄付/協賛

各拠点地域では社会貢献のための寄付や協賛も積極的に実施しています。国内では飲酒運転撲滅運動「STOP! DRUNK DRIVING PROJECT」への協賛や、被災経験地として、復興の姿と震災の教訓・体験発信や兵庫県・神戸市の魅力発信のコンセプトに賛同し、「神戸マラソン」への協賛を第1回から続けています。海外拠点ではトルコで障がい者スポーツ施設へのユニフォームの提供、フィリピンで老人ホームへの寄付、中国では美化プロジェクトに寄付を実施するなど、各地で社会貢献のための寄付や協賛を実施しています。

障がい者スポーツへの支援

住友ゴムグループは、障がい者スポーツが社会的に注目されるなか、その振興に寄与すべく、さまざまなスポーツ大会に協賛しています。特に、愛知県・兵庫県でそれぞれ開催されている車いすテニス大会では、ボランティアに参加するとともに、2009年度から冠スポンサーとして「国際車いすテニストーナメントDUNLOP KOBE OPEN」に特別協賛しています。

障がい者スポーツへの支援

そのほか、2012年から身障ドライバーによる耐久レース挑戦プロジェクト「ドリームメーカーレーシングプロジェクト」に協賛し、レース用タイヤを提供しています。
今後も、このような活動を継続し、障がい者・健常者を問わず、すべての人が共生できる社会の形成に貢献していきます。

「ドリームメーカーレーシングプロジェクト」レースの様子] (2019年の様子)
「ドリームメーカーレーシングプロジェクト」レースの様子]
(2019年の様子)

文化や自然を保全する「チーム ダンロップ未来プロジェクト」

住友ゴムグループは、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の「未来遺産運動」に賛同し、100年後の未来の子どもたちに日本の美しい文化や自然を継承していくことを目的に、2013年9月、協働事業として「チーム エナセーブ未来プロジェクト」を発足させました。本年から呼称を「チーム ダンロップ」へ変更し、エナセーブとしての活動をダンロップが受け継ぐことで、引き続きDUNLOPとその商品を使用されるお客様が一緒になって、環境保護活動に取り組んでまいります。
2020年、2021年は、残念ながらコロナ禍のため活動を中止しましたが、2022年から再開し、2025年は5か所で活動を予定しています。

久保川イーハトーブ自然再生協議会<植樹・散策路整備>(岩手県一関市)
久保川イーハトーブ自然再生協議会<植樹・散策路整備>
(岩手県一関市)

関連情報

その他の地域社会との対話・協働・活動

その他の地域社会との対話・協働・活動については、以下をご参照ください。