人権尊重の取り組み

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基本的な考え方

住友ゴムグループは、社会や環境と共存しながら持続的に事業を行うことに重点を置き、全社戦略実現に向けての大きな原動力、加速力を獲得すべく、2020年12月に新企業理念体系「Our Philosophy」を制定し、私たちの存在意義=Purposeを「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」と定めました。Purposeをあらゆる意思決定の拠り所、行動の起点とすることで、経済的価値のみならず社会的価値の向上に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
当社グループは、企業理念体系「Our Philosophy」を実現するため、バリューチェーン全体のリスクと機会を踏まえてマテリアリティを特定しています。人権は特定されたマテリアリティの一つであり、事業活動を行ううえで、グローバルな事業で起こり得る人権課題を把握し、適切な行動をすることが重要と考えています。そのため、社内外さまざまなステークホルダーの人権への影響を理解し、事業活動を通じ原材料調達から商品・サービスの提供を含むバリューチェーンすべてのプロセスにおいて、人権が尊重されるよう努めます。
取り組みに際しては、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」、経済協力開発機構(OECD)多国籍企業行動指針に基づいた「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」、経済産業省が公表している「責任あるサプライチェーンなどにおける人権尊重のためのガイドライン」等を参考にしています。

住友ゴムグループ人権方針

「住友ゴムグループ人権方針」は、国際基準の諸条約・原則に基づき、取締役会の承認を得たうえで制定されています。
本方針は住友ゴムグループの人権尊重の考え方を具体的に定めるものであり、住友ゴムグループ内のすべての人権尊重に関する規定・ガイドラインの最上位方針となります。
役員や従業員をはじめ、サプライヤーやグループ会社に対して、当社グループの方針を周知し、理解と遵守を求めています。

調達ガイドライン

当社グループは持続可能な調達を目指し、2024年7月に「サステナブル調達ガイドライン」第8版を発行しました。  
ガイドラインの中で、各国・各地域の人権に関する法令や規則を遵守し、人権の尊重に向けて取り組むことをお願いしています。  
取引先とその仕入先にも共有を依頼し、2025年1月末時点で、約90%のタイヤ原材料の取引先からガイドラインの受諾書を受領しました。

持続可能な天然ゴム方針

サプライチェーン上の皆様と連携した取り組みを積極的に推進し、天然ゴムの持続可能な調達を目指し、2018年に持続可能な天然ゴム方針を発行しました。
2021年には、天然ゴム生産地域での森林破壊による環境問題や、労働環境における人権問題などへの取り組みをさらに推進するため、GPSNR※1のポリシーフレームワークの内容をもとに住友ゴムグループ「持続可能な天然ゴム(SNR)方針」に刷新しました。

※1 Global Platform for Sustainable Natural Rubber

関連情報

住友ゴムグループ人権方針

ガバナンス

サステナビリティ推進委員会下のワーキンググループの一つとして24年2月に「人権部会」を設立しました。海外拠点を含む各関係部門が参画し、各部門の人権リスク調査とリスクの特定および対応策状況をフォローできる体制を整備しています。

戦略・リスクと機会

2011年に国連で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」の3つの柱の「企業」「救済窓口」の内容、及び「責任ある企業行動に関するOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に則って、外部有識者の知見も得ながら、進めています。
2024年度は、本社と国内外含むグループの製造拠点(計22拠点)に焦点をあて、人権デュー・ディリジェンスを実施しました。
2025年度は、バリューチェーンに活動を広げていきます。

※ 人権デュー・ディリジェンス:企業が事業における人権リスクを特定、その防止・軽減を図り取り組みの実効性や 対処方法について、説明・情報開示を行う、という一連の行為

2023年
グループ人権方針の策定

住友ゴムグループの人権尊重の考え方を具体的に定め、グループ内のすべての人権尊重に関する規定・ガイドラインとして「住友ゴムグループ人権方針」を策定・発信。また、役員、管理職へ向け、ビジネスと人権に関する勉強会を開催。

2024年
グループ内人権課題の特定

2024年は国内外のグループをスコープとし、人権リスク特定とデュー・ディリジェンス全体のロードマップを作成。また、人権に関する理解浸透・意識啓発のため、全社への教育を実施。

2025年
バリューチェーンへの拡大

2024年に策定したロードマップに基づき、グループ内の人権課題への対応に加え、デュー・ディリジェンスのスコープをバリューチェーンへ拡大予定。バリューチェーン全体での人権尊重の取り組み促進を目指す。

リスク管理

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」フレームワークに沿って、外部有識者の知見も得ながら、当社グループが優先的に取り組むべき人権リスクを特定しました。

1)リスクマッピング

人権部会が中心となり、社内外の情報を収集し、自社の事業特性を踏まえて人権リスクを評価しました。
リスクの評価は「深刻性」と「発生可能性」の2軸で行い、リスクマッピングを作成して対応の優先順位を判断しました。

2) 救済窓口の設置

当社グループでは、ハラスメントや不正行為に関する報告や相談を受け付けるために「企業倫理ヘルプライン」を設置しています。このヘルプラインは、社内外の方が利用でき、匿名性が保証されています。

目標と実績

目標と実績は以下の通りです。

  目標 実績
2023年 「住友ゴムグループ人権方針」策定 23年12月人権方針を策定し、公表
2024年 人権マネジメント体制および人権デュー・ディリジェンスプロセス構築
  • 「人権部会」を立上げ、人権デュー・ディリジェンスを開始
  • 当社グループが優先して取り組むべき重要な人権課題の特定
  • 人権課題への防止・軽減措置の実施
  • 実効性評価
    (グループ内各拠点における、人権方針の周知状況、救済窓口の整備状況、人権課題への対応状況を評価)
2025年 人権デュー・ディリジェンスの確立・運用

1.グループ内製造拠点の人権デュー・ディリジェンス活動のフォロー
  • 人権方針と救済窓口周知の教育実施率100%
  • 国連ガイドラインに沿った救済窓口の整備率100%
2.グループ内の移住労働者への人権デュー・ディリジェンス実施
  • グループ内製造拠点の移住労働者の現状把握(調査票回収率100%)
  • 当社タイ拠点でのリスクの特定・評価・対策立案
  • 上記進め方の知見を他拠点に展開し、他拠点での推進戦略立案
3.バリューチェーンの人権デュー・ディリジェンス戦略立案
  • ゴム農園視察(1か国/年:2025年はインドネシア訪問予定)
4.販売、物流関連子会社の人権デュー・ディリジェンス体制構築
  • 巻き込むべき拠点/子会社の明確化
  • 各拠点/子会社の人権デュー・ディリジェンス推進担当のアサイン
 

取り組み事例

特定した人権課題に基づき、人権デュー・ディリジェンス全体のロードマップを作成し、人権尊重の取り組みを推進しています。

国内外の当社グループ従業員

人権方針の周知や人権に関する研修の実施、労働安全衛生、D&I推進、外国人労働者受け入れへの取り組みを進めています。

バリューチェーン

天然ゴム農園・加工場の視察などの人権課題の予防・軽減措置を行っています。

情報開示

2025年に当社グループとして初めて、取り組みの全体像と進捗を人権レポートにまとめ公開しています。

人権レポート

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