住友ゴムグループが掲げる7つのマテリアリティのうちの1つに「多様な人材」があります。「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」を実現するためにダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進を重要な要素としてとらえています。多様な個が存分に強みを発揮し活躍できる組織・風土づくりが従業員のエンゲージメント・生産性向上へとつながり、当社グループのありたい姿の実現につながると考えています。
公平な機会提供(エクイティ)への取り組みを通し、属性や背景など個々が持つ多様性を互いに認め高め合える職場環境を実現し、チームの総合力向上、ひいては企業価値の向上につながるよう、さらに邁進していきます。
私たち住友ゴムグループは、 Our Philosophyを体現するために、全ての個人の多様性を尊重する取り組みを進めます。
多様な力をひとつにし、成長し続けることを経営の重点課題と位置づけ、以下の通り宣言します。
<D&I推進宣言>
多様な属性や考え方を尊重し、全ての個人が能力を発揮できる職場を実現します。
住友ゴム工業株式会社
代表取締役社長 山本 悟
当社は、長期経営戦略を支える人的資本経営に欠かせない要素の一つとしてDE&Iを認識し、全取締役による DE&I トップコミットメントを策定しました。各取締役が DE&I の重要性を認識し、担当範囲におけるありたい姿の実現に向け、経営戦略に DE&Iを組み込み、どのように活かしていくかを宣言しています。経営層を含め、全社で人材・組織基盤の構築を進めてまいります。
「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」そのために我々住友ゴムグループは存在しています。タイヤ・スポーツ・産業品・オートモーティブシステムなどの事業を通じて、幅広い分野で「最高の安心とヨロコビ」をつくり、世界中の皆さまへ届けています。
正解のない問題が多く、課題の質が変化している環境の中で、事業を行い、価値を提供し続けるうえで、イノベーションを起こし続けることが、強みの源泉と捉えています。そのためには多様な能力の発揮は欠かせません。
アクティブトレッド技術を搭載したタイヤの開発は、まさしく大きなイノベーションによる新たな価値の創造でした。ゴムの可能性を信じて、タイヤの新たな価値の創造に向けて、各部門の人たちが多様な知恵や意見を出し合うことで、画期的な商品に繋がりました。このように、「イノベーションで未来をひらく」に挑戦しています。
私たちはOur PhilosophyのVisionありたい姿に回帰し、「多様な力をひとつに、共に成長し、変化をのりこえる会社になる。」を大事にしていきます。お互いを良く知り、考えや個性を尊重しあって、失敗を恐れず、挑戦できる組織・人材を作ります。
お客様と社会からの信頼にこたえて、その期待を超える新たな価値創造にこだわっていきます。
私は住友ゴムグループで働く人の「幸せの総和」を最大限にしたい、そして、住友ゴムグループが提供する製品・サービスを通じて、皆さまに「幸せとヨロコビ」を届けたい、と常に思ってきました。
では「幸せの総和」を最大限にする会社、「幸せとヨロコビ」を届ける会社とはどんな会社でしょうか?
私は「働きがいのある会社」だと思っています。一人一人が活き活きと、お互いをリスペクトしながら、自分自身が持っている力を最大限に発揮してこそ、働きがいが生まれます。まさに全員野球ならぬ全員経営です。
一人ひとりが異なった背景や価値観、性格、性別、国籍、健康を持ちながら、それぞれの立場で最大限に力を発揮していく集団です。社員が活き活きと働いた結果、お客様に製品やサービスを通じて、「幸せとヨロコビ」を届けることができると信じています。
当社グループがそうなることを強く信じ、私はこれからも「幸せの総和」を最大限にするために懸命に努力してまいります。さらに財務担当として、当社グループが社内外の皆様からも真に働きがいのある会社として認めていただくための必要条件として、「2027年財務指標目標の達成」を目指します。
私自身、これまで何度も大病を経験し、その度に周りの皆さんから沢山のサポートをいただいて、今こうしてどうにか生かされています。幸運にも生かされた者の使命として、次の世代の皆さんに心から「幸せ送り」が出来ればと考えています。
私たちは「新たな体験価値」をすべての人に提供し続けることで、持続可能な社会の発展に貢献できる会社でありたいと考えています。
「新たな体験価値」を生み出す源泉は人材であり多様な能力の発揮・全員戦力化が不可欠です。これまで変化の激しい時代に柔軟に対応し、未来を切り拓く人材として、「グローバル経営人材・イノベーション人材・DX人材」の育成に取り組んできました。これらに加え、自由闊達に意見を言い合え、果敢に挑戦できる職場風土づくりに全員で取り組んでいきます。
さらに、「ヒトやコト」に大きくかかわる立場であるため、私は当社のイノベーションを強い想いで牽引していきたいと思います。イノベーションとは、「ものごとの新機軸」と私は捉えており、それは決して研究開発や製品にだけ求められているものではありません。仕事の進め方、コミュニケーションの取り方、働き方、DXなど、日々の仕事すべてがイノベーションの対象となり、個人と組織両方で自己変革が求められます。私は一人ひとりの挑戦と変革を、全力で応援していきます。加えて、社内外の異分野の接触・連携・融合をさらに活性化し、「ものごとの新機軸」づくりを目指します。
私たち全員が変革への強い想いを持ち、果敢に挑戦することにより、すべてのステークホルダーに「安心とヨロコビ」、そして「新たな体験価値」を提供し続けます。
約2000年前、ギリシャ、シリア、ペルシャ、インドの様々な芸術の特長を融合、昇華させた新たな「ガンダーラ美術」が生まれました。私の管掌する事業、部門は、商材やビジネスモデルが多彩であり、また法律やブランドという形を持たない概念を扱うなど、多岐にわたるプロフェッショナルが揃っています。各々の特長を融合、昇華することで新たな価値、現代のガンダーラ美術を産みだす素地があるということです。
長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」では、「ゴム起点のイノベーション創出」「ブランド経営強化」「変化に強い経営基盤構築」が成長促進ドライバーとなります。それを成し遂げるのは人であることは言うまでもありません。
各々のメンバーが高いパフォーマンス、スキルを発揮し、高いモチベーションで想いを形にしていく。多様な意見を出し、互いを理解した上で喧々諤々の議論を行い、そして一枚岩の結論を出す。そんなチームが新たな価値を創りあげると信じています。
その為の必要条件となる、多様な意見が次々でてくるような人員構成、異見を認めるような組織風土を徹底して作ります。そうすることが、現代のガンダーラ美術を創りあげる強い想いを持つ集団になり、個人の成長、会社の成長に自ずと繋がることでしょう。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)は、女性活躍はひとつの起点であり、多様な人材が活躍できる土壌を作り、従業員の成長と企業の成長をリンクさせていくことがゴールとされています。山本悟社長、其田真理社外取締役、アスリ・チョルパン社外監査役が当社のDE&Iのあり方と課題、取り組みを語りました(2024年3月)。
多様な人材が能力を発揮できる環境を作るために取り組むべき課題のひとつに、「ジェンダーギャップの是正」があります。たとえば、女性は男性に比べてキャリア形成の機会が少なかった、男性は女性に比べて働き方の多様性が認められづらかった、など、これまでの社会構造や企業風土のなかで、様々な男女間のギャップが生まれてきました。当社グループは、これらのギャップを認識し、性別にかかわりなく能力を発揮できる社会の実現に向けて、取組みを進めてまいります。
女性活躍推進をはじめ、DE&Iの推進にはトップによる力強いコミットメントが重要となります。
当社では、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(事務局:内閣府)に代表取締役の山本悟が参画し、当社におけるジェンダー平等と女性活躍の取り組みを加速させていく決意を社内外へ発信しています。
新たな価値を創造し続ける企業でありたい。その実現には、多様な人財が強みを生かし、自分らしく活躍できることが重要と認識している。女性活躍推進により、我々が目指す姿の実現に必ず繋がると確信している。
当社では男性の育児参画が女性活躍および多様な従業員が働きやすい職場・風土づくりに重要な役割を果たすと考えており、社長自ら、部下・自身のワーク・ライフ・バランスを実現するマネジメントが出来るボスとなるためにどう行動していくかをコミットしています。
・自らイクボスになります。
・一緒に働く仲間のワークライフバランス工場を先頭に立って推進します。
一人ひとりが自分らしく、安心して働ける職場づくりは、DE&I推進の基盤となるものです。当社は、ジェンダーギャップ是正の取り組みに加え、多様なバックグラウンドを持つ従業員がその能力を最大限に発揮できる環境整備を進め、持続可能な成長を実現する組織を目指します。
2022年にD&I推進の専任組織を人事総務本部人事部内に設置。全社横断的にD&Iを推進する旗振り役として活動してきました。2024年4月、D&Iグループは人事総務本部よりサステナビリティ経営推進本部管掌下に移管され、組織名をD&IグループよりDE&Iグループに改めました。サステナビリティ経営の一端を担う部門として住友ゴムグループにおけるDE&Iを推進しています。
2025年にはサステナビリティ推進委員会下に全社横断型の組織として「DE&I部会」を設置。各本部が参画し、部会を通じてDE&I推進状況を経営層がモニタリングします。
2024年の目標 |
|
---|---|
2024年の実績 |
【ジェンダーギャップ是正の取組み】
【多様な人材が活躍できる組織作り】
|
2025年の実績 |
|
中長期目標 |
|
認証
|
内容
|
対象
|
取得年
|
---|---|---|---|
![]() |
えるぼし認定(三ツ星) 女性が活躍できる環境づくりに取り組む優良企業を認定する厚労省による制度 |
単体 | 2020〜 |
![]() |
D&Iアワード ベストワークプレイス賞 ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定する日本最大のアワード |
単体 | 2023〜 |
![]() |
PRIDE指標 ゴールド認定 LGBTQ等セクシュアルマイノリティへの取り組みを評価する指標 |
単体 | 2023〜 |
![]() |
ひょうご・こうべ女性活躍推進認定(ミモザ企業) 兵庫県、神戸市合同の女性活躍推進に取り組む兵庫県下企業を認定 |
単体 | 2023〜 |
ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰 仕事と生活のバランス」の実現推進のために先進的な取組を実施している企業・団体等を表彰 |
単体 | 2022〜 | |
![]() |
くるみん認定 厚生労働省より子育てサポート企業を認定 |
(株)ダンロップゴルフクラブ | 2021〜 |
2023年度の次世代女性幹部育成プログラムへ参画した当社女性部長が、2025年3月に初の社内女性役員として就任する運びとなりました。この実績にはずみをつけ、引き続き女性リーダーの育成・登用に取組んで参ります。女性管理職比率7%の目標達成にはまだ課題が多くありますが、2025年にはDE&I推進を全社横断で行う「DE&I部会」を設立し、より実効性の高い取組みへと進化させていきます。
2024年は育児休業取得の推進を目的とした「育児のための有給公休制度」導入も後押となり、男性育休取得率が100%を達成いたしました(会社独自休暇制度含む:昨年比15%増)。引き続き、男性も女性も仕事と育児を両立しやすい環境づくりに取り組み、多様な人材が能力を発揮できる企業を目指します。
社長含め役員および管理職に対し、社外専門家や社外女性取締役等を招いた研修を定期的に開催し、DE&Iの意義およびマネジメント層が果たすべき役割を理解し、その学びを日々のマネジメント業務に繋げています。経営層がDE&Iに関する情報を常にアップデートし、迅速かつ適切な経営判断に活かせるよう取り組んでおります。
管理職候補層の育成に加え、女性トップマネジメントを輩出するための取り組みも行っています。2023年より京都大学女性エグゼクティブ・リーダープログラムへ企業正会員として参画しています。複数の女性部長が経営に必要な知見を習得し、社外とのネットワーキングを進めています。
当社女性社外取締役である其田氏が参加し、キャリアやライフイベントに関する率直な意見交換を行いました。活発な議論が交わされ、参加者にとってエンパワーメントされる貴重な機会となりました。
女性のキャリア形成のため、先輩社員が、他部門の後輩社員のキャリアやワーク・ライフ・バランス、日々の業務で抱える様々な悩みへの相談に応じ、自己内省を促す「メンター制度」を2022年より推進しています。また、メンター自身も、社外のプロフェッショナルメンターとの対話を通じ、エンパワーメントされ、リーダーの育成につながっています。2023年からは女性だけでなく男性も利用できる制度へと拡大しています。
住友ゴム本社が拠点を置く神戸地区におけるDE&I推進の機運を、地域をあげて盛り上げたいと、同じく神戸地区を拠点とする製造業3社にて地域全体で女性の活躍を推進するため、「神戸モノづくり企業 技術系女性交流会」を開催、2024年末までで4回のイベントを実施しています。企業単独の取り組みにとどまらず、他企業との「共創」を通じて、地域社会全体でのDE&I推進に貢献していきます。
男性の育児参画は、生産性の向上や多様な社員が働きやすい職場づくりに不可欠であると認識し、育児休業の取得促進に取り組んでいます。社長含め役員および管理職を対象とした企業倫理講演会や一般社員向けの研修にて、男性の育休とDE&I、生産性向上の関係性について理解を深めました。2024年には育児のための有給公休制度を導入。さらに、DE&I推進に積極的な「イクボス」の取り組みを社内報で紹介するなど、男性の育児参画や多様な働き方が重要な要素と認識される企業風土を醸成しています。
無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)に気づき、行動を意識的に変えるため、全社員を対象に継続的な教育プログラムを実施するとともに、全社アンケート結果をもとにプログラムの内容や展開方法の改善につなげています。2024年からは製造現場の社員向けにも研修を導入し、会社全体で多様性を受け入れる風土の醸成を進めています。
当社では、多様な人材が活躍できる職場づくりに向けて、”部下の成長を支援しつつ、組織の成果と自身のワークライフバランスも実現する上司”「イクボス」の推進に取り組んでいます。社長をはじめとする管理職が「イクボス宣言」を行い、DE&I推進に積極的に取り組む上司を社内報などで紹介することで、明るく前向きな職場風土の醸成を図っています。
職場におけるセクシュアリティに関する差別をなくし、全従業員が自分らしく働ける環境を整備するため、一人ひとり の理解促進と意識醸成につながるさまざまな取り組みを通して、理解者・支援者(Ally)の増加を推進しています。
理解促進・啓発教育 |
|
---|---|
制度 |
|
製造現場では、男性にとっても肉体的負荷の高い作業箇所がまだ多くあります。性別年齢問わず安心して作業ができる環境の実現を目指し、製造現場においても各種取り組みを行っています。女性作業員のための設備が不足していたことを受け、女子トイレやロッカーなどの厚生設備の増築や、夜勤時も安心して利用できる明るいトイレへの改装を実施しました。また、女性作業員による現場パトロールを実施し、従来指摘されなかった課題の発見と改善を行い、女性作業員だけでなく、筋力や身長による制限がある作業者も作業しやすくなる装置の改善に取り組んでいます。
さらに、2024年には「サステナビリティ推進委員会」の下に「はたらきたい未来の工場プロジェクト」を設立し、「誰もが働きやすい」職場環境の実現に向け全社でより強力に取組みを進めています。
障がいの種類を問わず、様々な職場で障がいのある方が働いており、そのような方々が能力を発揮できるようサポートしています。バリアフリートイレ等の設備面を整備し、ジョブコーチが在籍し業務のサポートを実施しています。また、各事業所に健康管理スタッフ(産業医・看護職)を配置しており、心身の健康について気軽に相談できる体制が整っています。
※ 障がい者雇用に特化した特例子会社「(株)SRIウィズ」をグループとして有しております。
従来の再雇用制度においては、再雇用後の処遇は一律に引き下がるものでありましたが、2021年4月に管理職に仕事基準の役割等級制度を導入し、それに倣う形で翌年2022年から再雇用人材に対しても役割等級制度を導入しました。これにより、ラインマネジメントを継続して行っている人材や専門性を活かして活躍する人材に関しては定年退職前の水準と同程度の処遇で活躍する人材も出てきています。
また、2024年からは50代の社員向けのキャリアビジョン研修を新設しました。50歳~60歳以降も、モチベーション高く、会社及び社会の中で活躍する為に、自身の持っているスキル・経験を棚卸し、今後のキャリアの選択肢を知ったうえで、リスキリングと納得のいくキャリアを考える機会を提供しました。2025年にはさらに対象を拡大していきます。
外国籍社員活躍推進プロジェクトを立ち上げ、外国籍社員に向けて2019年に実施したアンケート結果を踏まえ、日本語教育の開始や、英文での社内資料の展開等取り組みを進めています。また、2023年より、外国籍社員有志によるERG(Employee Resource Group)がスタート。外国籍社員ならではの悩みや課題を共有し、会社への提言につなげる場にもなっています。
DE&Iに関する社内情報発信ページを設置し、社内での情報発信や理解促進を積極的に行っています。またDE&Iの情報発信強化や人事制度の活用を進めるため、情報検索手段としてチャットボットを社内イントラネットに設置し、継続して情報発信の改善を進めています。
本チャットボットの利活用を進めるため、情報発信キャラクター「チャボ」を作成し、社員がチャットボットを利用するほど成長するため、社員が愛着をもって継続して利用・育成しています。また、チャボは「社内報アワード2021※」のIC(インターナルコミュニケーション)キャラクターグランプリで最優秀賞を受賞しました。DE&Iや人事部情報発信時のキャラクターとして社内で認知が進み、合わせてDE&Iや人事制度関連情報の周知に繋がっています。
※ ウィズワークス株式会社主催
近年の社会環境の変化に伴い、当社でも多様な働き方に対応した制度、仕組みを導入、拡充しています。仕事にメリハリをつけ、プライベートとの両立を支援するため、時間外労働の削減や有給休暇付与日数増加・取得を推進するとともに、育児・介護などとの両立にも配慮しています。また、個人の個性を尊重し、自由な発想や自律的な思考が生まれやすい職場風土づくりなどの一環で、オフィスでの服装自由化や、一部フリーアドレスを実施しコミュニケーション活性化に取り組んでいます。
両立支援関連制度・取組み |
|
---|---|
多様な働き方を 後押しする制度・取組み |
|