住友ゴムグループでは、約400年にわたり受け継がれてきた「住友の事業精神」をベースにした「Our Philosophy」をあらゆる意思決定の拠り所、行動の起点とすることで、経済的価値のみならず社会的価値の向上に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献するという企業理念に基づき品質方針を定め、法規に準拠し、安全かつお客様の求める魅力ある製品・サービス・ソリューションの提供を最優先に取り組んでいます。
当社グループのPurpose「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」は、まさにお客様起点での品質を追求するものとなっています。
法規・法令を遵守し、お客様や市場の要望に応えた商品やサービスの提供により、広く社会に貢献するという企業理念に基づき、以下の品質⽅針を定め実践します。
1)5ゲン主義に立ち、時代の変化に対応した顧客に信頼される製品及びサービスを提供します。
2)全社のつながり強化と未来をひらくイノベーションで、魅力ある商品を創出します。
3)全員参加で継続的な教育の実施と標準化及びコンプライアンス遵守を徹底し、問題発生を未然防止する活動を行います。
住友ゴムグループの全員が、この品質方針を理解し実践して、品質マネジメントシステムを確実に実施します。
住友ゴムグループでは、品質に関する方針・意思決定の最高機関として、社長を委員長とするQC中央委員会を設置しています。このQC中央委員会で決定した方針を、タイヤ、スポーツ(SP)、ハイブリッド(HB)、オートモーティブシステム(AS)の4つの事業部単位の各QC委員会を通してグローバルに展開し、製造部門はもとより開発部門、管理部⾨や営業部⾨の業務品質も含めて、 ⾼品質な製品、サービス、ソリューションの提供に取り組んでいます。
さらに、これらの取り組みが有効に機能しているかを、QC中央委員会、及び各QC委員会において評価を行うと共に、リスク評価、及び改善を促す内部監査(品質審査)の仕組みを設けて対応しています。
また、品質マネジメントシステムISO9001や⾃動⾞産業品質マネジメントシステム規格IATF16949の認証取得・維持を通して、お客様起点での品質強化、並びに継続的改善に取り組んでいます。
QC中央委員会、及び各QC委員会にてマネジメントレビューを行うことに加え、最新の品質状況については、品質保証本部の全部署から毎月、QC中央委員会委員長の社長に報告する場を設けており、トップマネジメントによる迅速なフィードバックを全社に展開しています。
住友ゴムグループの製品・サービス・ソリューションに関する品質、及び業務品質に関する最高機関として、年度方針、重要課題及び目標を決定、展開し実績をフォローし、改善を促進します。(QC中央委員会:年3回)
QC中央委員会の下部組織として、QC中央委員会方針に沿って各QC委員会方針を展開、各部に品質方針を提示し、製品・サービス・ソリューションに関する品質、及び業務品質の改善を促進します。(各QC委員会:年3回)
また、改善活動の効率を上げるため、小委員会/ 専門委員会を設置して(必要に応じてプロジェクトチームを設置)、改善を促進します。
当社グループの品質マネジメントシステムは、ISO9001および⾃動⾞産業品質マネジメントシステム規格であるIATF16949をもとに構築し、市場環境の変化やお客様の更なる満足に対応できるように継続的改善を行っています。
事業所 | 所在国 | 対象品目 | ISO 9001 | IATF 16949 |
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神戸本社 | 日本 | タイヤ | ✓ | ✓ |
タイヤパンク修理キット | ✓ | |||
防舷材 | ✓ | |||
医療用ゴム製品 (メディカルラバー) |
✓ | |||
制振ダンパー | ✓ | |||
東京本社 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
タイヤパンク修理キット | ✓ | |||
タイヤテクニカルセンター | タイヤ | ✓ | ✓ | |
タイヤ空気圧警報システム | ✓ | |||
タイヤパンク修理キット | ✓ | |||
タイヤテストコース 岡山/旭川/名寄 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
名古屋工場 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
白河工場 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
宮崎工場 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
泉大津工場 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
医療用ゴム製品 (メディカルラバー) |
✓ | |||
加古川工場 | タイヤ | ✓ | ||
防舷材 | ✓ | |||
医療用ゴム製品 (メディカルラバー) |
✓ | |||
制振ダンパー | ✓ | |||
宇都宮事務所 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
東京事務所 | 制振ダンパー | ✓ | ||
名古屋事務所(名古屋工場内) | タイヤパンク修理キット | ✓ | ||
広島事務所 | タイヤ | ✓ | ✓ | |
タイヤパンク修理キット | ✓ | |||
SRIエンジニアリング | タイヤ | ✓ | ✓ | |
Sumitomo Rubber North America Inc. | アメリカ | タイヤ | ✓ | |
Sumitomo Rubber do Brasil Ltda. | ブラジル | タイヤ | ✓ | ✓ |
Falken Tyre Europe GmbH | ドイツ | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumitomo Rubber Europe GmbH | タイヤ | ✓ | ✓ | |
Dunlop Tech GmbH | タイヤパンク修理キット | ✓ | ||
Sumitomo Rubber AKO Lastik San. Tic.A.Ş. | トルコ | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumitomo Rubber South Africa(PTY)Ltd. | 南アフリカ | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumitomo Rubber (Changshu) Co.,Ltd. | 中国 | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumitomo Rubber (HuNan) Co., Ltd. | タイヤ | ✓ | ✓ | |
Sumitomo Rubber (Thailand) Co.,Ltd. | タイ | タイヤ | ✓ | ✓ |
Dunlop Srixon Sports Manufacturing(Thailand)Co., Ltd. | テニスボール | ✓ | ||
PT Sumi Rubber Indonesia | インドネシア | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumitomo Rubber Singapore Pte. Ltd. | シンガポール | タイヤ | ✓ | ✓ |
Sumirubber Malaysia Sdn.Bhd. | マレーシア | ゴム手袋 | ✓ |
※規格:ISO 9001:2015, IATF 16949:2016
住友ゴムグループでは、気候変動の拡大をはじめとする社会課題が大きく変化するなか、社会と当社グループが持続的成長を遂げていくには、2050年を見越した長期視点での方針が必要で、2021年8月にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を策定し、目標に向けて取り組みを進めています。
「はずむ未来チャレンジ2050」を達成することは「Our Philosophy」のPurpose「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」を具現化する事につながると考えており、品質においてはこれらを実現するためのバリューチェーン全体を通した品質基盤の強化を進めています。
さらに、住友ゴムグループでは、長期経営戦略「R.I.S.E.2035」を策定し、「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべての人に提供し続ける」を2035年に目指す姿として掲げ、将来の社会課題やリスクに対して、「ゴム・解析技術力」と「ブランド創造力」の2つの強みを武器に、モビリティ・スポーツ・医療・暮らしのさまざまな領域において、魅力ある新たな価値を創造し続け、未来に向けた豊かな社会、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
品質における信頼性の観点では、当社の強みの一つである「ゴム・解析技術力」が、高機能ゴム開発を可能にするだけでなく、可視化技術によるメカニズム解明によって新たな領域における品質リスクを回避し、価値創造プロセスの信頼性を高めるものとなります。
加えて、タイヤ、センシングコア、スポーツ、産業品の各事業戦略、及び新規事業構想を支える品質基盤を強化してまいります。
これには、バリューチェーン全体での品質マネジメントシステムによる仕組み強化による未然防止の促進、及び、各プロセスにおける変化に強い人づくりを促進しています。
「製品・サービス・ソリューションの安全性確保」は住友ゴムグループが必ず果たすべき責務であると強く認識しており、⽇々、万全を期しています。最新技術を駆使した評価検証の実施、並びに過酷な事前評価を実施し、量産を開始する前には、タイヤ・センシングコア・スポーツ・産業品・その他すべての量産化に対して、必ず各品質保証部⾨が評価・検証結果を厳しく審査し、品質保証部⾨の承認がなければ量産化できない仕組みを確⽴しています。また、量産開始後も、品質管理を徹底し、お客様に⾼品質で安全な製品・サービス・ソリューションの提供に努めています。
尚、万が⼀、お客様に提供した製品・サービス・ソリューションに⽋陥あるいはその可能性が発⾒された場合は、ただちに状況分析を実施し、必要に応じて安全対策会議を開催し、速やかに必要な措置を講ずる仕組みを構築しています。また、市場情報をグループ全体で共有する仕組みを構築しており、再発防止とリスク対策の徹底を行っています。
今後も持続可能な社会の発展に貢献するという企業理念に基づき、法規に準拠し、安全かつお客様の求める魅力ある製品・サービス・ソリューションの提供を最優先に取り組んでまいります。
サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」で設定しました年度目標に対する各取り組みに対して、品質マネジメントシステムによる仕組み強化として、バリューチェーン全体にわたる品質リスクの抽出を行い、その対応を実施し標準化につなげています。さらに、リスク対応においては必要に応じて更なるプロセス改善を行うと共に品質保証体系の見直しも実施しています。
これらにより、別途報告の「はずむ未来チャレンジ2050」の取り組み実績に示していますように計画通り進捗しています。
さらに、各プロセスの品質を支える人材育成の強化として、変化点教育、及び全社品質教育の実施。加えて、新任マネジメント層への品質教育の徹底を行い、マネジメント面と実務面の両面から変化に強い人づくりを促進し、社内外の変化に対応できるようにしています。
住友ゴムグループでは『タイヤ、スポーツ、ハイブリッド(産業品)、オートモーティブシステム事業での製品製造』において、原材料サプライヤー・外注品委託先との計画的な品質監査や品質課題是正の活動、パートナーシップの構築を通じて、原材料・外注品品質の監視・改善を継続しています。当社グループの要求品質を満たす原材料・外注品が確実に供給されることにより、当社グループの『製造工程・製品品質の安定』を維持し、お客様に持続可能な製品を安定してご提供できるように取り組んでいます。
また、昨今の世界情勢・外部環境変化における影響によって、原材料品質の継続的維持への懸念は深刻さを増していますので、BCP 観点での慎重な評価と状況判断により、原材料・外注品調達先の地域拡大、新規選定、サステナブル原材料開発を進めており、部門間/製造拠点間協働での品質監視の強化などで内部環境改善を図りながら、さらに強固な原材料・外注品品質向上活動に取り組んでいます。
これらの取り組みを通して、持続可能な原材料・外注品の量産化、品質安定化、並びに、サプライチェーンマネジメントの信頼性を高め、お客様に安心いただける製品の提供とともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」の取り組み、及び、長期経営戦略「R.I.S.E.2035」で策定の「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべての人に提供し続ける」ための取り組みを確実に成し遂げていくには、品質マネジメントシステムによる仕組みの構築に加え、全てのプロセスにおいてその品質を支える人材の育成が大切です。特に大きな変革の時期こそ、基本に忠実でありながら変化に強い人づくりが大切であると考えています。
住友ゴムグループでは、持続可能な社会の発展に貢献するという企業理念に基づき定めた「品質方針」に記載の「多様な力をひとつに、共に成長し、お客様重視の行動と品質で変化を乗り越える」ことのできる人を育成しています。
その品質を支える人材育成として、信頼性の高い品質確立へのフロントローディング化を含めたマネジメント層への品質教育の実施(昇格者、海外赴任予定者)、及び、新人をはじめ全社員の品質意識向上(品質優先の思想・文化の伝承)のための全社品質教育にて基本の徹底を行い、マネジメント面と実務面の両面から基本に忠実で変化に強い人づくりを促進しています。
さらに、年間の各種品質改善活動や過去トラブルなどの教育を通して、品質マネジメントシステムの理解浸透と実践できる人づくりを行っています。
また、全社品質教育や年間の改善活動に加え、品質意識をさらに高めるため、毎年11⽉の品質⽉間には、国内・海外のグループ事業所では「QC発表会」「品質標語の募集・表彰」などを実施しています。さらに、グループ全体では神戸本社にて「Quality Forum」を開催し、各部門、各事業所の製品品質/業務品質改善の優秀事例の紹介・表彰を行っています。
この「Quality Forum」での紹介事例の一つとして、当社産業品事業(制振ビジネス)の製品である「MIRAIE」は、バリューチェーン全体を通して信頼性の高い品質マネジメントの確立によって、大規模地震災害からお客様の命と財産を救った持続可能な社会への貢献事例の代表と考えており、「品質の上にビジネスが成り立つ」ことを全社員に浸透させています。
今後もこれらの活動を通して全社員の品質意識を向上させるとともに、お客様や市場ニーズに関する情報を共有し、常にお客様目線で継続的な品質改善を進めることで、お客様満足度向上と持続可能な社会の貢献につなげてまいります。