環境マネジメント体制

環境マネジメントに対する基本的な考え方

  • 住友ゴムグループ

環境の保全は、グローバル社会において企業が果たしていかねばならない最も重要な責任の一つです。
グローバル企業には、国や地域による濃淡なく世界中で環境経営を実践していくことが強く求められています。
住友ゴムグループは、事業のグローバル化の加速に伴い、グローバル環境経営の推進に一層の力を注いでいます。

環境保全に関する基本方針(基本理念)

住友ゴムグループでは、「持続発展可能な社会」を実現するための方針として2007年7月に環境方針を定めています(2019年4月改定)。
この方針で取り組むべき環境に関する課題と行動方針を定めたうえで、脱炭素・環境負荷低減に取り組みます。
今後も本方針に基づき、サプライチェーン全体での環境課題解決に取り組みステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。

環境方針

住友ゴム工業(株)環境方針PDF版(PDF 858KB)

環境マネジメント体制

  • 住友ゴムグループ

住友ゴムグループでは、環境マネジメントを含むグローバルなサステナビリティ活動の重要課題の方針決定、情報共有および進捗状況の確認を目的として「サステナビリティ推進委員会」を年2回開催しています。
委員長はサステナビリティ担当役員で、関係部門担当役員を委員としています。

関連情報

サステナビリティ経営マネジメント体制

重要テーマの施策実行体制

当社グループでは気候変動や自然資本・循環型社会などの環境関連課題の取り組みに向けて、サステナビリティ推進委員会の承認のもと部会を設置しており、これらの部会をサステナビリティ推進WG(ワーキンググループ)と総称しています。各部会は主管部門と参画部門で構成され、活動の企画・推進やサステナビリティ推進委員会への報告、経営層への報告等を行います。

環境などのサステナビリティ活動におけるリスク管理

当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす恐れのあるサステナビリティ関連リスクについては、グループ全体のリスク管理について定めるリスク管理規定に基づき、それぞれの担当部署及び各子会社において事前にリスク分析、対応策を検討し、当社の経営会議等で審議しています。また当社及びグローバルサプライチェーンにおける、社会や環境に与える負荷を低減していくために特に重要と考えるテーマについては経営層によるモニタリング・レビューを行い、取締役会へ報告されています。

ISO14001グローバル統合認証

当社グループでは、環境目標に対するPDCAサイクルによる継続的改善のため、環境管理の国際規格ISO14001の認証を取得し、規格に基づいた環境マネジメントシステム(EMS)を運用・実践しています。2023年末時点で認証取得拠点数は37拠点(内34拠点は統合認証)で、認証取得事業所割合は94.9%になりました。またグローバル全従業員に占めるISO14001認証取得事業所の従業員割合は74.7%になりました。2023年度は新たに認証を取得した拠点はありませんが、認証未取得の拠点においても、取得拠点と同様にコーポレート監査を実施し、環境管理体制の強化を図っています。

全従業員に占めるISO14001認証
取得事業所の従業員数割合

全従業員に占めるISO14001認証取得事業所の従業員数割合グラフ
(2023年12月末時点の人員)
住友ゴムグループグローバル統合認証(日本語版)
住友ゴムグループグローバル統合認証(英語版)

住友ゴムグループグローバル統合認証(日本語版、英語版)

ISO14001認証取得状況

拠点名 取得年 グループ統合認証
住友ゴム工業株式会社
タイヤ事業本部
本社 2007年
タイヤテクニカルセンター 2007年
岡山タイヤテストコース 2007年
白河工場 1997年
名古屋工場 1997年
泉大津工場 1998年
宮崎工場 1997年
住友ゴム工業株式会社
ハイブリッド事業本部
加古川工場 1998年
泉大津工場 1998年
住友ゴム工業株式会社
スポーツ事業本部
ゴルフ科学センター 1998年
中田エンヂニアリング株式会社 本社・工場 2004年
SRIエンジニアリング株式会社 本社 2009年
加古川事業所 2009年
西神事業所 2009年
株式会社SRIビジネスアソシエイツ 本社 2009年
株式会社SRIシステムズ 本社 2009年
SRIロジスティクス株式会社 本社 2009年
株式会社ダンロップリトレッドサービス 本社・小野工場 2010年
北海道工場 2010年
株式会社ダンロップゴルフクラブ 本社・工場 2010年
中国・常熟工場 2005年
インドネシア工場 2003年
タイ工場 2008年
中国・中山工場 2004年
ベトナム工場 2008年
マレーシア工場 2005年
タイ・テニスボール工場 2009年
タイ・天然ゴム加工所 2012年
住友ゴム工業(中国) 2013年
中国・湖南工場 2013年
ブラジル工場 2014年
トルコ工場 2016年
米国工場 2013年
南アフリカ工場 2012年
スイス工場 2014年 -
スロベニア工場 2020年 -
DUNLOP TECH GmbH 2014年 -

ISO50001認証取得

住友ゴムグループは、エネルギーパフォーマンスの継続的改善を目指すための体系化されたエネルギーマネジメントシステムの国際規格「ISO50001」の認証を取得しています。当社グループにおけるISO50001認証取得は、中国・常熟工場、湖南工場、ブラジル工場、トルコ工場の4拠点です。

ISO50001認証取得状況

拠点名 取得年月
中国・常熟工場 2015年2月
ブラジル工場 2015年2月
中国・湖南工場 2022年5月
トルコ工場 2022年5月

2023年12月末時点

エコ・ファーストの約束

エコ・ファースト制度

地球環境に責任を持ったグローバル企業として、あらゆる企業活動を通じて、豊かさと地球環境が調和した社会を将来にわたって実現すべく、企業の社会的責任を果たしてまいります。
住友ゴムは、2009年3月に環境省が創設した「エコ・ファースト制度」で認定された「エコ・ファースト企業」として、新たな取り組み目標をまとめ「エコ・ファーストの約束」を2022年10月に更新しました。
気候変動をはじめとする環境問題など地球規模の社会課題が深刻化する中、社会と当社が持続的成長を遂げていくには、2050年を見越した長期視点での方針が必要と考え、2021年8月にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を策定しました。今回の「エコ・ファーストの約束」更新には「はずむ未来チャレンジ2050」で設定された、2050年にカーボンニュートラル達成(スコープ1、2)などの目標が盛り込まれています。

エコ・ファーストの約束(更新書)(PDF 1,289KB) サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」
エコ・ファースト推進協議会の定期通常総会
エコ・ファースト推進協議会の定期通常総会

エコ・ファーストの約束とは?

ECO FITST ロゴ

環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行なっている企業(業界における環境先進企業)が、環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束します。

環境の外部審査と内部監査

  • 住友ゴムグループ

住友ゴムグループは、毎年、認証機関による外部審査を受けるとともに、各事業所内で内部監査員資格保有者による内部監査を実施しています。また、2009年度から住友ゴム工業本社の監査員がグループの国内外の各製造事業所を監査するコーポレート監査を原則年1回の頻度で実施しています。
2023年度の外部審査の結果、すべての事業所において良好な評価で、ISO14001:2015グローバル統合認証を更新することができました。
外部審査、内部監査の結果、環境関連法規制に対する重大な違反はありませんでした。

環境負荷低減の取り組み

  • 住友ゴムグループ

TRWP※1(タイヤ・路面摩耗粉じん)への対応

タイヤは自動車の中で唯一路面と接触する部品であり、タイヤが自動車の荷重を支えながら、走る(発進する)、曲がる、止まる機能を発揮するためには、路面とタイヤの摩擦が物理的に不可欠です。摩擦によって発生する粉じんがTRWPで、タイヤのトレッド部材と道路舗装材からなる混合物です。
TRWPの特性や環境に及ぼす影響については明確になっていないことが多く、それらを明らかにし、環境への影響を低減していくことが当社として取り組むべき課題であると認識しています。
そこで、当社はWBCSD※2のTIP※3(グローバルタイヤメーカー10社からなる業界団体)に発足当時より参画し、TRWPに関する調査研究、評価手法の確立やステークホルダーとの対話などの活動を進めています。TIPではTRWPのほかにも、廃タイヤのマネジメント、原材料と化学物質に関する問題、環境に関わる指標(KPI)の見える化などサステナビリティ全般の業界における共通の課題に対応した活動を行っています。
また、当社は一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA※4)や一般社団法人日本ゴム工業会(JRMA※5)の一員としても活動しており、TRWPの評価に関するISO規格の作成などに取り組んでいます。

※1 Tire and Road Wear Particles
※2 World Business Council for Sustainable Development
※3 Tire Industry Project
※4 The Japan Automobile Tyre Manufacturers Association, Inc.
※5 The Japan Rubber Manufacturers Association

タイヤ用老化防止剤(6PPD)への対応

6PPD(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-パラ-フェニレンジアミン)はタイヤ業界で広く使用されている老化防止剤です。近年、6PPDが環境中の酸素やオゾンと反応して生成する6PPD-キノンが特定の水生生物に対して有害の可能性を示唆する論文が発表されたことに端を発し、米国では規制に向けた手続きが進んでいます。
一方で、6PPD自体は、環境中にある酸素やオゾンとゴムとの反応によって生じるタイヤ表面の割れを防ぎ劣化の進行を抑制する重要な役割があり、タイヤがその性能を十分に発揮しお客様に安心して長くご使用いただくために不可欠な材料です。そこで現在、タイヤ業界全体で代替技術の可能性検討や代替品の開発・評価に取り組んでおり、当社もその一員として取り組みを推進しています。

人工芝でのマイクロプラスチックへの対応

スポーツ人工芝でも、経年使用で破断した人工芝や充填したゴムチップが河川や海に流出し、マイクロプラスチック※1となっている可能性が指摘されています。
当社では2020年から、流出状況の確認とともに流出抑制効果の高い資材・製品の開発に取り組み、人工芝外周部へのバリア資材や排水溝へのフィルター材等の設置による抑制効果を実証しています。これらの当社取り組みは環境省Webサイト※2でも紹介され、大阪府や東京都多摩市がそれぞれ公開した流出抑制対策に関するガイドライン※3、※4にも掲載されています。

※1 サイズが5mm未満の微小なプラスチック
※2 https://plastics-smart.env.go.jp/microplastics#case-study-1
※3 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/806/jinkoshiba_gl_10_1.pdf
※4 https://www.city.tama.lg.jp/map/sports/tennis/1003856.html

環境に影響を与える事故や公害問題等の発生件数と罰金・処罰について

住友ゴムグループでは、2023年度、罰金や処罰を受ける環境に影響を与える事故や公害問題等はありませんでした。

環境負荷物質の継続調査状況

  • 住友ゴムグループ

住友ゴムグループでは、事業活動によって発生した各種環境負荷物質について、環境へ影響を与えないように継続的なモニタリングを実施し、その管理を行っています。

関連情報

財務・非財務データ

CO2以外の温室効果ガス

当社グループで排出しているCO2以外の温室効果ガスにはメタン、一酸化二窒素、フロン類、六フッ化硫黄があります。
フロン類についてはフロン排出抑制法に定められている機器の維持保全、定期的な点検を遵守するとともに活動量および漏洩量を算定しています。フロン類算定漏えい量報告については、2023年は該当しませんでした。

PCB注1含有物

当社グループは、PCB特措法注2に基づき、PCB含有機器として変圧器、コンデンサ、安定器などを国内工場で保管し、行政へ報告しています。
2023年の廃棄処分実績は安定器6台でした。
2023年末時点のPCB含有機器の保管数量は、安定器35台、低濃度の変圧器等の機器7台です。
このうち、安定器3台と低濃度含有機器5台は2024年1月に処分済で、残りの低濃度含有機器2台につきましては処理期限の2027年3月31日までに計画的処理を行っていきます。

注1PCB:ポリ塩化ビフェニルの総称。水に溶けない、化学的に安定、絶縁性が良いなどの理由で変圧器、コンデンサの絶縁油として使用されていたが、人の健康・環境への有害性が確認され、分解されにくく、広範に環境中に残留していることが知られています。
注2PCB特措法:「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」2001年に施行。2012年、2016年に改正されました。

土壌・水質汚染関連物質

加古川工場での土壌・水質汚染(継続報告)

2004年10月、自主調査で敷地土壌からテトラクロロエチレンなどの有害物質が環境基準を上回って検出されました。事実を加古川市に届け出ると同時に、近隣の皆様へ説明会を実施しました。
その後は、汚染土壌の除去、継続的な汚染地下水の浄化、在来微生物の働きを活性化させるバイオ浄化に取り組んで、汚染の封じ込めを行っています。
これまでの経過観察により、汚染物質の工場敷地外への拡散はなく、残存範囲がかなり絞り込めていることがわかりました。2015年までの継続監視点は0.01mg/l未満で安定しているため、2016年より隣接部の汚染地点を新たに継続監視点としています。定期的に地下水をサンプリングし、汚染状況の継続的監視を行っています。

地下水対策井戸(継続的監視点)におけるテトラクロロエチレン濃度

設定基準:0.01 mg/L以下

( mg/L )

2022年
3月
2022年
6月
2022年
9月
2022年
12月
2023年
3月
2023年
6月
2023年
9月
2023年
12月
継続監視点における濃度 0.001
未満
0.002 0.001
未満
0.001
未満
0.02 0.004 0.006 0.001
未満

海外拠点が発行する環境報告書

  • 住友ゴムグループ

住友ゴムグループの海外拠点で環境報告書を発行しています。
これらの環境報告書では、各拠点の事業活動による環境負荷、活動目標と実績、社会貢献活動などを開示し、コミュニケーションに活用しています。

※ 医療用ゴム製品を製造販売するスイスの子会社、ロンストロフの全株式をオランダの投資ファンドに売却に伴い、スイス、スロベニア工場は2024年から除外しました。

中国・常熟、湖南工場 2024年

中国・常熟、湖南工場

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インドネシア工場 2024年

インドネシア工場

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中国・中山工場 2024年

中国・中山工場

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ベトナム工場 2024年

ベトナム工場

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タイ・テニスボール工場 2024年

タイ・テニスボール工場

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フィリピン工場 2024年

フィリピン工場

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マレーシア工場 2024年

マレーシア工場

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南アフリカ工場 2024年

南アフリカ工場

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タイ・天然ゴム加工所 2024年

タイ・天然ゴム加工所

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