環境の保全は、グローバル社会において企業が果たしていかねばならない最も重要な責任の一つです。
グローバル企業には、国や地域による濃淡なく世界中で環境経営を実践していくことが強く求められています。
当社グループは、事業のグローバル化の加速にともない、グローバル環境経営の推進に一層の力を注いでいます。
当社グループではグローバルな環境マネジメントを強化するため、国内外拠点の責任者、テーマごとのワーキンググループの責任者などで構成する「グローバル環境管理中央委員会」を設けています。
2019年度は2月と7月に開催し、製造部門から「CO2、省エネルギー、廃棄物、水使用量などの各指標の削減実績と改善内容」に加えて、「臭気などの環境改善」「社会貢献活動」など幅広い活動報告がありました。また、2019年度は新拠点のフィリピン・テニスボール工場から初めての報告がありました。さらに、材料開発部門から「低燃費化技術によるCO2削減」、購買部門から「SNR(天然ゴムを持続可能な資源とする)取り組み」などの報告と活発な議論が行われました。
今後も、同委員会を通してグローバルに情報共有を行い、切磋琢磨することで各拠点の活動を活性化させていきます。
※1テーマごとに環境問題を取り扱うグループ
※2事業所ごとに環境問題を包括的に取り扱うグループ(国内)
※3事業所ごとに環境問題を包括的に取り扱うグループ(海外)
ISO14001 適用範囲
タイヤ、スポーツ用品および産業用ハイブリッドゴム製品の設計開発、および製造に関する活動と、製品およびサービスにおける環境管理活動に適用し、すべての従業員、協力企業社員を対象者とする。ただし、新設または新規に傘下となった下記3工場は統合認証に加わっていません。(2020.7.1現在)
スイス工場(個別の認証は取得済)
スロベニア工場
フィリピン・テニスボール工場
当社グループは、従業員一人ひとりが環境問題に対する認識を深めて、環境保全の取り組みに積極的に参加するよう、環境意識啓発活動を実施しています。
従来から実施している「環境新聞」、「省エネ新聞」の定期的な発行、「ECO展示会」の開催、ポスター・標語の募集と表彰、環境知識勉強会、各種コンテストなどを継続しました。
2019年度は新たな取り組みとして、ベトナム工場で環境月間にプラ廃棄物削減キャンペーンを開催し、プラ廃棄物の有害性などの認識を高める活動を実施しました。
今後もこれらの活動を継続するとともに新たな活動にも取り組んでいきます。
当社グループは、低炭素社会の構築をはじめ企業活動のすべてにおいてグローバルな管理ができるよう、2010年12月に国内外30拠点でISO14001のグローバル統合認証を取得しました。これにより、国内外の主要生産・開発拠点の環境管理体制が一元化されました。
2019年末のグローバル全従業員に占めるISO14001認証取得事業所の従業員割合は85.7%、また、認証取得事業所割合は92.1%になります。
2019年度は、新たにグローバル統合認証に加わる拠点はありませんでしたが、2020年度は、単独認証取得済のスイス工場がグローバル統合認証に加わることと、フィリピン工場で新規認証取得を目指し活動を継続します。
注臨時従業員を含む(2019年12月末時点の人員)。
住友ゴムグループグローバル統合認証(日本語版、英語版)
拠点名 | 取得年 | 従業員数 | 生産拠点従業員中の取得 事業所従業員割合 |
---|---|---|---|
本社・技研センター | 2007年 | 2,020 | 5.1 |
白河工場 | 1997年 | 1,658 | 4.2 |
名古屋工場 | 1997年 | 1,310 | 3.3 |
泉大津工場 | 1998年 | 411 | 1.0 |
宮崎工場 | 1997年 | 1,498 | 3.8 |
市島工場 | 1998年 | 215 | 0.5 |
加古川工場 | 1998年 | 511 | 1.3 |
中国・常熟工場 | 2005年 | 2,187 | 5.6 |
インドネシア工場 | 2003年 | 3,464 | 8.8 |
タイ工場 | 2008年 | 8,258 | 21.0 |
中国・中山工場 | 2004年 | 333 | 0.8 |
ベトナム工場 | 2008年 | 1,001 | 2.6 |
マレーシア工場 | 2005年 | 675 | 1.7 |
タイ・テニスボール工場 | 2009年 | 283 | 0.7 |
タイ・天然ゴム加工場 | 2012年 | 265 | 0.7 |
住友ゴム工業(中国) | 2013年 | 163 | 0.4 |
中国・湖南工場 | 2013年 | 1,062 | 2.7 |
ブラジル工場 | 2014年 | 2,147 | 5.5 |
トルコ工場 | 2016年 | 1,908 | 4.9 |
南アフリカ工場 | 2012年 | 1,772 | 4.5 |
アメリカ工場 | 2013年 | 1,402 | 3.6 |
スイス工場 | 2014年 | 162 | 0.4 |
中田エンヂニアリング | 2004年 | 129 | 0.3 |
SRIビジネスアソシエイツ(神戸地区) | 2009年 | 43 | 0.1 |
SRIシステムズ(神戸地区) | 2009年 | 234 | 0.6 |
SRIロジスティクス(神戸地区) | 2009年 | 17 | 0.0 |
SRIエンジニアリング | 2009年 | 180 | 0.5 |
(株)ダンロップリトレッドサービス | 2010年 | 53 | 0.1 |
(株)ダンロップゴルフクラブ | 2010年 | 259 | 0.7 |
取得事業所従業員数 | 33,620 | 85.7 | |
グループ総人員 | 39,233 | 100.0 |
注契約・派遣社員含む2019年12月31日時点の人員。
住友ゴムグループは、毎年、認証機関による外部審査を受けるとともに、各事業所内で内部監査員資格保有者による内部監査を実施しています。また、2009年度から住友ゴム工業本社の監査員がグループの国内外の各製造事業所を監査するコーポレート監査を原則年1回の頻度で実施しています。2019年度は国内外の22製造拠点の監査を実施しました。
2019年度の外部審査の結果、すべての事業所において良好な評価で、ISO14001:2015グローバル統合認証を維持することができました。
外部審査、内部監査の結果、環境関連法規制に対する重大な違反はありませんでした。
2019年、インドネシア工場では全環境指標(省エネ、廃棄物、水、有機溶剤)の目標を達成しました。
特に、有機溶剤削減で大きな成果を上げられました。インドネシア工場では、二輪用タイヤやスペアタイヤを製造していますが、これらの製造工程では部材同士を接着させるため多量の有機溶剤を使います。そのため、その使用量が他工場に比べ多い状況でした。そこで、2018年生産技術メンバーを中心にプロジェクトを立ち上げ、有機溶剤を使わない工程にするよう部材の生産方法改善に取り組みました。その結果、2019年末時点で、工場全体の使用量を17%削減できました。
今後も2020年中に30%削減を目指し、活動を続けます。
住友ゴムグループでは、2017年度、2018年度、2019年度、罰金や処罰を受ける環境に影響を与える事故や公害問題等はありませんでした。