Kindness[人材育成と働きがいの向上]
当社では、社員のタレントマネジメントを戦略的かつ組織的な人材育成のための重要な施策と位置づけ、拡大しています。各ポジションの人材要件と個々の育成ゴールを明確に設定し、そのゴールに向けた必要な育成施策として、研修や異動・配置転換、各種プロジェクトへの参画など、仕事の幅を広げる機会を創出します。これにより、中長期的な人材育成を促進します。
一方、社員一人一人が将来のありたい姿を描くキャリアデザイン教育も階層別研修に取り入れており、タレントマネジメントとの両輪で人材育成に取り組んでいます。
育成ゴールや将来のありたい姿の実現に向けた能力開発としては、選択型のスキルアップ研修やE-Learning、通信教育など、主体的に学ぶ機会を多く提供しています。
当社は「Our Philosophy」を2020年11月に策定してから、全社を挙げて従業員への浸透活動を進めてきました。浸透にあたっては、管理部門、工場の技能系、海外拠点、国内関連会社など、それぞれ状況にあった形で施策を進め、Our Philosophyを体現できる人材の育成に繋げています。
管理部門・開発部門の一般から管理職、工場の職長クラス以上には、2021年度から年1回、オンラインセミナーを実施しています。自身で考えることを軸としたワークショップを行うことで、Our Philosophyの自分事化と実践に繋げています。また国内工場の技能系従業員向けに対面でのセミナー実施や、国内関係会社社員に対したワークショップなども順次実施しています。
社内への浸透度を可視化するため、年1回「Our Philosophy浸透度調査」を行っています。
浸透活動にはウェブ社内報も活用。役員・工場長のインタビューや部門での浸透活動事例を随時公開するとともに、浸透度調査の結果も開示し、意識づけを行っています。
2019年より組織体質強化のプロジェクトを進めており、4つの骨太方針「挑戦を後押しする環境」「部門・役職間の壁がなくオープンな職場」「一人ひとりがリーダーシップを発揮できる環境」「全社戦略とひもづいた生産性の高い仕事」の実現を目指し変革活動を進めています。
組織の健康度調査などを通じて、定期的に全社の状況を把握し、組織風土改革に向けたさまざまな施策に取り組んでいます。
2016年から若手従業員が自己のキャリアビジョンを主体的に考え、それに向かって挑戦していけるような取組みを始めています。2020年からは自身の希望するキャリアパスを登録できるキャリアマッチング制度、プロジェクト単位で他部署の仕事に携わることができるプロジェクト公募制度を始め、キャリアビジョンの実現、挑戦の後押しをしています。
今後はシニア、ミドル層へのキャリア開発研修、キャリアコンサルタントによるキャリア相談の拡充によりライフキャリア自律支援を導入し、従業員の幸福と会社の成長の両者実現を目指していきます。
役員以下課長代理以上を対象に360度フィードバックとセミナーを実施しており、年に一度自身のリーダーシップスタイルを客観的に振り返る機会を設けています。
さらに、役員には個別にエグゼクティブコーチングを導入し、経営幹部としてのリーダーシップ発揮に繋げています。
また、リーダーシップ開発の教育は課長代理未満の従業員にも広げており、
年次や役職に関係なく、一人ひとりがリーダーシップについて考える機会を設けています。
当社では、製造現場を発展させ、持続可能なモノづくりを実現していく方針のもと、製造現場で実際のモノづくりに携わる従業員に対する教育にも力を入れています。
特に実践的なカリキュラムを通じて技能やスキルを高め、製造現場でのアウトプット、実績/成果に繋がる指導を重視しています。
「仕事=作業+改善」という考え方を基に、OJTを通じて「作業」としてスキルの幅を広げ、また「改善」を通じて成長とやりがいを追求しています。改善の過程では、問題を発見する目を養いながら、自分の職場で直面している課題や問題を抽出し、改善して成果に繋げるチーム活動を積極的に進めています。
現場の管理項目である「安全」「品質」「生産」「設備」「原価」「労務」「環境」などを座学と実践を通じて教育しています。また、職場運営に関する「コミュニケーション力」「リーダーシップ力」などのマネジメント教育も実施しています。さらに、将来の幹部候補を養成するため、選抜者に対して特別教育を実施しています。問題解決力や課題設定・解決力を磨き、職場の理想像を描き、実行力を養うことで、現場力の向上を牽引できる人材を育成しています。
若手社員への技能伝承と意欲向上を目的に、2009年より年に2回「技能オリンピック」を開催しています。この取り組みでは、製造各工程や工務保全技能において、国内外の工場から選抜された若手社員がその技能を競い合います。こちらは世界12工場の技能向上と伝承に大きく貢献しており、近年では海外工場の技術者が優勝するなど、グローバルな技能レベルとモチベーションの向上につながっています。
世界各地に拠点を持つ住友ゴムグループでは、どこの工場で作っても同じ品質の製品ができること、すべての従業員が成長や働きがいを感じられることなどを目的に、海外での人材育成を強化しています。
特に近年では、日本の本社からの指導・支援にとどまらず、現地の事業やニーズに合わせた人材育成の強化を目指しています。
世界中どこの工場で作っても同じ品質の製品ができるように、「Our Philosophy」に基づいた品質教育の充実にも力を入れています。各工場での班長、職長などの現場の重要ポストへの階層別研修や各種国際規格の内部監査員育成や品質管理研修などを各事業所にて実施しています。また、現地に赴任し支援する日本人従業員の育成もこれらの施策を進める上で欠かせません。海外工場管理監督者、海外工場支援者、海外駐在員の育成・教育に注力し、グローバルでの技能伝承につなげています。
事業のグローバル化が進む中、英語力向上や異文化理解の教育にも積極的に取り組んでいます。
新入社員向けには、新人研修にてグローバルマインドセットのトレーニングや数日にわたる英語講義を実施し、グローバル人材への理解や英語学習の意欲を高めています。また、海外赴任前には異文化コミュニケーションに関する研修も行い、グローバル人材の育成を推進しています。さらに、一般社員向けにオンライン英語レッスンの機会も提供しており、持続的な語学力向上を支援しています。